秘密の共犯者達 | ナノ


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「あれ?どうしたんですか?なんかあった?」


ピッ…ピッ…って、コンビニのレジで精算しながら彼、バイトの瀬口くんが私を見て首を傾げた。

家から一番近いこのコンビニの深夜に入ってる事が多い瀬口くんはいつも笑顔ですっごい元気で、よくよくここに来る私に話しかけてくれるようになった。

缶ビールをレジに通しつつ瀬口くんを見つめる。


「…うーん、なんていうか、まぁ。」


さすがに自分から浮かれて後輩のイケメンに告られた!なんて言えまい。

勿論嬉しかったし、久々にドキッとしたんだけど、やっぱり真実味がなくて。


「あ、実は俺、後5分であがりなんですけど、ちょっと話しません?」
「え?」
「あー彼氏が怒らなければ!?」


…瀬口くんの笑顔はちょっと危険で。この笑顔に、仕事でどんなに疲れていても癒されていた。だからあえてこのコンビニに寄っている事、知らないだろーなぁ。

そんな風にニカッて笑われると一つ返事で頷いてしまう訳で。


「いませんよーだ。いたらとっくにここにだって一緒に来てるでしょ!」
「あ、そっか!そーですよね、そりゃそーだ。よし、ラッキー!」


…はい?聞き間違えだよね?まぁいっか。私の精算を終えた瀬口くんは「すぐだから待ってて!」レジから出るとポンって一つ頭に手を乗せると笑顔で奥に入って行った。

初めて触った。触られた…じゃん。

ボーッとしていたらすぐに私服の瀬口くんが出て来て私の手首を掴むとコンビニから出た。


「瀬口くん!」
「あーごめん。つい掴んじゃいました。ゆき乃さんって結構隙だらけっすよね?」


そう言いながらもスッて肉まんを私に手渡してくれる。


「俺の奢り。待たせた分、これで許して。」
「待ってないけど、いただきまーす。」


いつも私が肉まんを頼む事も分かっているからそーいうのは嬉しい。


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