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臣と隆二には言ってないけど、告白されたのは堀くんだけではない。まだ黎弥くんと勇征の事は言わないでおこう。万が一堀くんの耳に入っても嫌だし。
「…ありがとうございました。」
御礼を言って頭を下げるとニッコリ微笑む隆二。
「ゆき乃ならその先もいつでもウェルカムだから。ね?臣。」
「んーまぁ。てかお前ほんっと免疫ないのな?キスしながらおっぱい触られてもキス止めないんだよ?分かってる?」
分かってるよ、って超小声で言うと臣がふわりと笑った。
「ねぇ、男ってみんなそんな事ばっか考えてんの?」
ふぅーってウーロンハイをゴクリ飲み込むと冷たい刺激に身体がヒヤッとした。
枝豆を私に食べさせてくれる隆二が肘をついたまま目を泳がせて。
「まぁ、そーいう雰囲気になったらもうどう持っていくかしか頭にないかもなぁ、ね、臣?」
「そうそう。仕事しながら考えてる訳じゃねぇから。」
カチッと臣も煙草に火をつける。一本取り出して私にも煙草を咥えさせるからそのまま火を待つ。個室の中がメンソールの煙でいっぱいに溢れた。
「けど、堀なつぐらいの年の時は結構そればっかだったかも?ね、臣?」
「うーん。かもな。で、次いつ会うの?堀なつと。」
言ってしまったがためにこいつら楽しみだした、人の恋愛模様!勿論ながら前向きに検討するって事を堀くんに伝えたいとは思っているけど、「あ、うそ、」そんな気持ちが伝わったのか、スマホの画面に出された堀くんからの着信に思わず全身カァーっと赤くなる。
慌ててスマホを持って立ち上がろうとする私の腕を物の見事に引っ張る臣。
「喋らねぇからここで話せ。ちょうどいいじゃねぇか!な、隆二!」
「うん!俺も、その方が安心する。」
保護者ですか、お二人さんは!?なんて突っ込み入れてる場合じゃない。聞かれたくないのは承知だけれど無理そう。仕方なく私は通話ボタンを押した。
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