おしゃべり

「跡部ってさあ、」
「アーン?」
「チロルチョコしらないの?」

突然何を言い出すかと思いきやなまえは目を輝かせながら跡部にそう尋ねた。

「どうした突然」
「跡部の庶民性を調査中」
「最低ゴディバだな」
「わーリッチー!!こんど奢って」

それが目当てか。
跡部はさっきまで書いていた部誌に目を戻す。

「跡部ー」
「なんだ、用が無いなら話しかけるな」
「用はあるよ」
「じゃあなんだ」
「跡部のこと根掘り葉掘りすんの面白いから」
「・・・」

そうか?
跡部は首を傾げる。しかしなまえは縦に首を振る。

「ねえ、跡部。次の英語の宿題終わった?」
「そりゃあな、」
「……見せて」

結局そういう目当てがあるのか。
寄ってくる女たちの中でこいつだけ異彩を放っている。
好意は持っているかもしれないが違う意味での好意な気がしてならない。
こいつだけはこの俺様にも全く読めない。

「跡部ってさあ、変わってるよね」
「お前に言われたくないな」
「そうかなあ、」
「俺様は至って正常だ」
「あ」

なまえが突然口を濁らせる。跡部は部誌を書く手を止めた。

「なんだよ、」
「いやさあ、前から言おうと思ったんだけどさあ」

なまえは椅子に座り直すと跡部に面と向かった。そして人差し指を跡部に向け突きつけた。

「その、“俺様”って言うの、止めた方がいいよ」

跡部はそういう話か、とニヤリと笑った。


「…気が向いたらな」



おしゃべり
(それよりゴディバ食いにくるか?)(行く!!)


*


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