Third Contact
「大丈夫ですか?!?」
慌てて駆け寄り金髪少年を仰向けにした。こういうときってなんだっけ、気道確保?心臓マッサージ?え、なんだっけ?!
はるこが慌てていると「すー」という寝息が聞こえてきてはるこは思わず少年を二度見した。
少年は気持ちよさそうに寝息を立てて眠っているだけだった。
寝てるんかーーーい
03
「どうしよう」
とりあえず仰向けにして持ち上げた頭をそっと床に置いたはいいけど…。
「ここのクラスなのかな?」
ほっぺたをつんつんしてみた。わあ、やわらか。モチ肌だし超かわいい。わたしより肌キレイ…。やばい、女としてやばい。
よく見ると(いや、よく見なくとも)金髪の少年は非常に愛くるしい顔をしていた。うん、ほんとかわいいこの子。負けた。I am lost,You are win!文句なしだ!
「始業式でなくていいのかな、ってかなんでこんなとこで寝てるんだろー」
つんつんつんつん。なんだか楽しくなってきた。鼻をつまもうかと手を伸ばしたらいきなり凄い音をたてて扉が開いたので慌てて手を引っ込めて扉の方を見た。
そこには眉間にしわを寄せた怖そうな男の子が立っていた。
「…お前誰?」
「あ、えっと、高橋デス…」
「それ、ジロー?」
「ジローって何?」
その子ははるこの質問に聞く耳も持たず、入ってくるやいなや金髪少年をとんでもない勢いでゆすり始めた。
「おい、ジロー!起きやがれ!どれだけ探したと思ってんだ!!」
「あの、ちょっと、そんなにゆすっちゃ…」
「こいつはこうでもしねーと起きねーんだよ!おいジロー!」
「ん〜むにゃむにゃ…」
ジローと呼ばれる少年は目をこすりながらその眠そうな目をパチッと開けた。ぱっちりとしたブラウンの目でキョロキョロと周りを見渡し、その視線ははることぶつかった。
「…君だあれ?」
「高橋ですう」
ほんわか聞かれ、はるこもほんわかと返す。そうしたら怖そうな男の子がまた横から乱入してきた。
「ってかお前初めてみるな」
「あ、あの、今日転校してきて…」
「ちょっと宍戸ー!この子怖がってるC−」
…C?なんかよくわかんないけど今目の前にいる2人の名前がわかった。宍戸くんとジローくんね。
「…わり、で、高橋だって?」
「うん、高橋はるこです」
「高橋始業式は出ねえの?」
「どっちかというとそのセリフはこっちのセリフなんだけど…宍戸くん…」
「俺は始業式に出ようと思ってたのにジローがいねえからずっと探してたんだよ!」
「あ、俺のせい?」
「俺のせい?じゃねーよ!どう考えてもてめえのせいだろ!」
「ごめ〜ん」
にゃはは、とジローは笑った。なにをしても天使みたいに愛くるしい子だな…カワイイや…。朝からすっごい癒されちゃった。
「あ、ちなみにわたしは先生から直接こっち来ていいって言われたからここにいるだけだからね」
「そーかよ。」
「なんか、そろそろ始業式終わるっぽい感じのこと言ってたよ」
「ふーん、じゃあめんどくせーしこのまま教室待機すっか」
「俺も俺も〜!」
「お前はずっとだろ!」
3人は適当に席に座ると他のクラスメイトたちが入ってくるまでの間他愛ない話を繰り広げた。
*
これで3人と出会いました。
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