Second Contact

転入して初めて知り合いができた。
その、第一号は世間一般的にイケメンと呼ばれるであろう顔をした変な関西弁の丸メガネの男だった。
「なんで知り合いなん!もう俺ら、友達やろ?」
「そういうの無理」

02


職員室の前に立ち、ふう、と息を吐く。そして気合を入れる。そして扉に手をかけよう…としたら忍足の手が先に伸びてきて普通に横から開けられた。
「ちょっと何人の一大決心邪魔してくれてるの」
「え?なかなか開けへんから代わりにあけてあげたっちゅーのに…」

こいつ、余計なことを…。

「忍足なんか用か?」
「あ、先生。俺は榊先生に、はるこちゃんはー…」
「高橋」
「…はるこちゃんはー誰に用事あるん?」
「すみません、今日からここの転入生として来たんですけどどこに行けば分からなくて職員室に来ました」
「ああ、君、転入生の子ね。…なんで忍足と?」
前に立っている先生は眉間にシワをよせ、不思議そうな顔で忍足とはるこの顔を交互に見た。
どうして一緒にいるかなんてわたしが一番聞きたいんだってば。
「まあ、いい。こちらで案内しましょう」

職員室の中の様子を伺っていると気づけば隣に居たはずの忍足の姿は見えなくなっていた。いつの間に消えたんだ…。


今の時間と転入生という組み合わせによりすでに始まっている始業式には間に合わないため、始業式に出ず直接教室へ向かうよう案内され、校内図を無事にゲットした。
やべえ、主要都市の駅構内図くらいわかりにくいかもしれない…。もうむしろダンジョン。
とりあえず、わたしのクラスは3年C組らしい。

「C組は4階4階…」
ひとまず職員室の先生から手に入れた大事な情報を忘れないようボソボソつぶやきながら4階へと階段を上る。
普通RPGとかだと途中で村人がいて色々話を聞きながら情報をゲットし目的地へと向かうものだが、あいにく始業式のため生徒・教師は全て1箇所に集められているせいか全く人に出会わない。
「本当に場所を覚えるのに数ヶ月かかりそうだな、この学校…」
困った困った、そうつぶやきながら廊下の角を左に曲がった時、“3A”の教室を発見した。おっと思いその延長線を見ると“3C”の文字。

「あった…!!」

少し涙腺が緩んだんじゃないかと思う。大げさじゃない。
扉の前に立つと大きく深呼吸をした。誰もいないとわかっていても緊張するものは緊張する。
さっきは忍足に邪魔されたけど今は一人だ。よし。心の準備は整った。
扉に手をかけるとはるこは勢い良くあけた。



誰もいないと思っていたその教室には金髪の男の子が倒れていた。


*
先生!事件です!


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