He can not be a junior high school student!

放課後になり、跡部に今日のクラスメイトと話したことを報告した。するとなにかあったら真っ先に連絡しろと言われた。まあ、その辺は頼れるんだろうなーと思いながらその流れで「今日暇か」と聞かれたから「一応」と答えた。返ってきた答えは「家に来い」だった。
……いえ?

18


「アトベサンアトベサン」
「アン?なんだ急にしゃべり方がおかしいぞ」
「家ってなに?」
「お前は家もわからないのか」
「そこまで馬鹿じゃないわよ、誰の家だって言ってんのよ」
「俺の家に決まってるだろう。他にどこの家に行くんだ」
「なにが決まってるだろうなのよ偉そうね」
「普通だろ?」
「フツウですって?」
そりゃ散々思考回路が昭和女だ、って転校前の学校で言われ続けてきたけど相手があの百戦錬磨跡部景吾とあってはなんだかわからないけど行ってしまったら何かを失う気がする…!勘違いとは言わせない。相手を考えるんだ。はいようこそ跡部家へまあ素敵なおうちせっかくだし人生ゲームでもするかわあ嬉しいわ…ならないならないならない!絶対その流れはならない!
「おひとつお聞かせください」
「なんだ」
「家行って何するの?」
「なにって、セ「あーーーーーー!」
だめだ!こいつ、まともな恋愛したことないんじゃないの、嘘でしょ、そういう人ほんとにいるんだ、ねえ。うそでしょ?わたしの自意識過剰な考えかと一瞬思ったけど全然じゃん。予想通りすぎるのにもほどがあるじゃん。この人中学生とか言いながら欲求不満の大学生とかじゃないの、うそでしょ。嘘じゃないのか…。信じたくないけど。
「 行 き ま せ ん 。 」
「わざわざ区切んな」
「わざわざ区切りたくなったのよ。空気読みなさいよ」
「付き合ってんだろ?」
「跡部くん付き合うって何か知ってる?」
「そういうことだろ」

だめだこりゃ。

はるこは心の深く奥底からそう思うしかなかった。
「あの、だったらわたし跡部くんのこと振っても良いかな?今すぐ」
「アン?」
「いやそういう付き合いだったらちょっと無理」
「え?」
「ごめんね、1日だけ付き合ってくれてありがとう。顔はイケメンと付き合ったことあるよって5年後ぐらいのネタにするね」
「いや、おい、待てって…」
「それじゃ!」
はるこはそう言い残すとくるりと一回転して跡部と反対方向へ歩き始めた。
「だから…」
跡部ははるこより大きなその歩幅で少しの距離に追いつき腕を掴もうとした、がつかみ損ねた。
しかしその宙をきった手は偶然にもはるこの手の甲に一瞬触れた。

バッとはるこが跡部の方を振り返った。

2人の時がほんの一瞬止まった。

そしてすぐに時が動き出す。

「うん、じゃあ、ばいばい」
はるこはまた跡部に背中を向け歩き始めた。しかし跡部は追いかけなかった。振りかえりざまに見えたはるこの耳が真っ赤になっていたのが見えたから。
まだ希望はある、はずだ。
跡部はしぶしぶ携帯を取り出し電話をかけた。

*
タイトルこれしか浮かびませんでした…
He can not be a junior high school student!=彼が中学生のはずがない


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