What a pain.

次の日、3Aの教室に何人もの女の子が飛びこんでいっている姿を確認した。オーーオソロシイオソロシイ。
宍戸は教室の窓からその女子たちを見て「これだから女は…」と呟いているのが聞こえた。
宍戸くん、だから彼女ができないのよ。


15



「とりあえずさあ、わたしのところへ何も無いってことはまだ何もバレてないってことだよね?」
「バレてないんじゃね?多分」
「多分ってなによ、多分って!それよりバレてたらどうなる?」
「……高橋、どんなことがあっても頑張って学校へ来い」
「宍戸クーーン?そこは「俺が守ってやるよ」とかかっこいいこと言えないわけ?」
「わり、俺テニスで忙しいし」
「もういいしジローくんはきっとわたしの味方だもん。ねージローくん!」
「そうだC!俺ははるこの味方だC宍戸なんかどっかいっちゃえ〜!」
「いっちゃえいっちゃえ〜!」
「おい、お前ら消しゴム投げんな!」
ギャーギャー騒いでいるところへ凄い勢いで忍足が走りこんできた。
「お、おはよ」
「ああ、おはようさん…ってはるこちゃんが挨拶してくれた?!」
「そんなにびっくりする事?」
「いや〜ほんま感動やで…や、なくて!跡部の!」
「アーあれでしょ?A組パンクしてんじゃん」
「あいつ『おめえ等に興味無くなっただけだ』的なことゆーて女子大変なことなっとるで」
「跡部くんってさ・・・馬鹿っつか空気読めないのね」
「お前今更だな、跡部は氷帝一空気読めない馬鹿だぜ」
知ってるけど。結構知ってたつもりだけど。ほんとにほんとにそうだったのね。氷帝一ってか世界一空気読めてないよ…。
「うちのクラスでも大変な騒ぎになっとるで」
「忍足さー、わたしら以外のうちのクラスの会話聞いてもそっちのクラスだけだと思ってるの?」
はるこに言われ、忍足が周りを見渡すと所かしこから「跡部」という単語が聞こえた。といいつつはるこ達も結局は跡部の話をしているのでクラス中その話で持ちきりなわけだが。
「すまん」
「分かればよろしい」
そんなときだった。バンッととてつもなく大きな音(に聞こえた)をたて扉が開くと思うと噂の張本人が、我が3年C組に現れた。
「あとべええええええ」
その場にいた誰よりも絶叫したのはなぜか忍足だった。なんでお前やねん。
「お前、何してん?なあ」
「は?」
「こうなる事くらい想像つくやろ?ちょっとは相手の気持ち考えたことあるんか?」
「あいつが望んだ事だ」
「それにしても度を超しとるやろ、ほんま昔からよーわからんやっちゃ」
「お前との付き合いなんてまだほんの数年だろう」
「そ れ で も や」
お互いその“相手”の名前を出してはいけないことくらい分かっているようで、ありとあらゆる代名詞が飛び交い口論は続く。
慈郎や宍戸がなにも気にせずはるこの机の上でトランプを広げ2人でスピードを始めてしまったくらいにはしょうもない口論ではあったが。

「だーかーらーやーなー!」
「ああん?」
「だーーもううるさーーーい!!!」
え、と忍足と跡部がこっちを向きかけた瞬間。はるこは2人の頭を教科書で思いっきり…は痛いと思ったので3割程度の力で叩いた。
「ったああ!」
「ってえ!」
3割と言えど痛いものは痛い。
「もう、うるさい!HRはじまるし2人ともC組違うでしょ!部外者は出て行って!!」
スピードする手を止め慈郎がはるこに向かって拍手する。続いて宍戸も拍手する。それにつられ周りがみんな拍手する。
「C組のみなさんは全員賛同のようなんで、とりあえず出てってくれるかしら?」
にっこり笑ってそう告げると忍足は仕方なく、跡部は不満顔で教室から出て行った。

もう、なんか、一言で、
面倒くさい。

*
What a pain.=めんどくさい


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