type 2

休み時間は3Hにいる眼鏡に散々文句を言いに行ったせいで全部つぶれたので例のヤツの元には放課後訪れることにした。放課後になると絶対にテニスコートにいるっていうのはある意味とても便利だ。
「とりあえず跡部くんの他の女も気になるところなんだけれど。」
とりあえず当人にタイプを聞いてみよう。コマを使って。


13



「だからそれがなんで俺なんだよ!!!」
「お願い!宍戸くんしか頼めないんだもの」
「嘘つけよ、忍足に頼めばいいじゃねーか!!!」
「わたしへの貸しを忘れたわけ?」
「んだよそれ、こんな形で返すなんて一言も言ってねーじゃねーか!」
「ほらほら跡部くん来たよ!」

部室からユニフォーム姿で出てきた跡部に向かってはるこは宍戸の背中をおもいっきり押した。

「どわあああああ」

おもいっきり押し過ぎて宍戸はそのまま跡部にぶつかっていき、二人そろっておもいっきりこけた。はるこはちょっと笑った。嘘、声に出して笑った。

「何すんだよ宍戸!」
「俺のせいじゃねーよ!」
宍戸がふとはるこの方を見ると既に先程いた場所にはおらず、建物の陰に隠れ「ガンバレ」と言わんばかりのガッツポーズを送ってきた。

「……」
「何か用かよ」
「お前の女が用事あるってよ」
そう言いつつ宍戸ははるこがいる方を指さした。跡部が宍戸の指す方を見ると、建物の影から4分の1ほど身体をだしてこちらの様子を見るはること目があった。
「え、ちょ、宍戸くん話が違う!」
「約束した覚えなんてねーよ!」
「おい、出て来いよ」
「なんで!」
「いいから」
渋々建物の陰から出ていくとはるこは宍戸の横でふんぞり返った。
「ナンデスカ」
「なんで片言なんだ」
「何か問題でも」
「とりあえず用事って何だ」
「何ノ話デスカ」
「とぼけんじゃねーぞ?用事があるんだろ」
「…いや、勘違いしてんじゃないかなって思って」
「勘違い?」
「忍足から聞いたけど、あなた勝ち気な人が好みなんだって?言っとくけど生まれて14年、勝ち気と言われたことは一度もないし思ったこともありません」
「なに言ってんだ。別に勝気なやつしか気に入らないことは無い」
「本気で断ってるのに勝気って勘違いするとか…え、待って、どういうこと?」
「だからお前のことを勝気なヤツだから気に入ったわけじゃないって言ってんだろ」

・・・・・・。

無言の空間。
近くで聞こえてくるはずのテニスボールの音とかがすっごく遠くから聞こえてくる気がする。
え、なんなのさ。じゃあなんでわたし気に入られたわけ。どこよ、どこ。説明しなさいよ、わたしが納得できるまで。

「言っておくが」
跡部が我に戻ったかのように口を開ける。
「俺様は言ったはずだ。拒否権は無い、と。」
「わたしも言ったはずよ、承認しないって」
そしてはるこは口を開く。

「ってか彼女にするとか言いながらわたし以外にも彼女いるんでしょ。わたし浮気する人とか絶対に嫌だから」

テニスボールの音が鳴りやんだ。



*
中学生男児2人ぶつかってこけるとかうける。


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