Disaster in the morning

次の日の朝、携帯の着信音に起こされた。
起きると鳴りやんだので、とりあえず先に顔を洗って着替えて携帯を見ると不在着信が15件も入っていた。

「何これ気持ち悪…」


11



不在着信の相手は全部あの“あとべけいご”だった。
なんなのこれ、めんどくさいしこれから学校行くし直接聞こう。
はるこは携帯を制服のポケットに入れると鼻歌を歌いながらリビングへと向かった。
「お母さんおはよー」
「おはよう、ねえあんた凄いわよ」
「え?何が?」
はるこはいつものように指定席に座り準備されたパンを食べながら、新聞を見ながら(もちろんテレビ欄)返事した。
「家の前の道路にリムジンが止まってるのよー」
「…え?」
少しだけ、いやな予感がした。
「ご近所さんのどこかかしら?すごいわねー」
「……オカアサン、大変申し上げづらいのですが…」
「え?」
それ、多分、うちだわ。

慌ててパンを食べ今日見るドラマをチェックして急ぎ足で靴を履いた。外に出ると家の門に背中を預け待ちくたびれた、出会って数日にも関わらず超見慣れた顔の人物がいた。
「アトベクン…何してるの」
「電話くらい出ろ」
「いや、ってかなんでうちにいるの?ってかなんでうち知ってるの?」
「ハン、俺様にかかればそのくらい朝飯前だな」
日本はプライバシー保護主義じゃ無かったの。ねえ、わたしのプライバシーは?100歩譲ってわたしのプライバシー流出費、わたしのポケットに入ってきてませんけど?!

「とりあえず行くぞ」
「へ、どこへ?」
「何言ってんだ。学校遅刻するぞ」
「はあ、いや行くけど…」
「だったらさっさと乗れよ」
「なんでよ」
「送ってやるから迎えに来てんじゃねーか」
「いやわたし歩いて行くし!」
それこそ跡部くんのリムジンで登校しましたとか黄色い声軍団がなにしてくるかわからないじゃない。それくらいちょっと考えればすぐわかるじゃん。頭弱いんだねきっと。そうだ、顔とか運動神経に全部取られちゃって頭弱いんだわ、きっと。あーなんて可哀想な人。同情しちゃう。

「何度もいうが遅刻するぞ」
「遅刻する方がまし」
そう言ってはるこは跡部を無視し、学校へ向かって歩き出した。跡部は慌てて車に乗り込み「出せ、ゆっくりとな」と指示を飛ばした。はるこが歩く横をゆっくりとリムジンが平行に動き出す。そのリムジンの窓から跡部が顔を覗かせる。
「いいのかー?遅刻するぜ?」
「良いって言ってんじゃん。跡部くんこそ先行けば?」
「わざわざ俺様がこんなにも親切にしてやってるくせに素直じゃ無い奴だな」
「生憎素直になった結果がこれなんで」
「そういうとこますます気にいった」
「え」
なんでそうなるの?ねえ、誰かこいつの趣味を教えてよ。全然話噛み合わないんですけど。
「まあ今日のところは勘弁してやろう」
跡部はそういうと、運転手に「急げ」と告げると「じゃあな」と窓を閉めた。
はるこがポカンとリムジンを見ていると窓が閉め切られた跡部の乗ったリムジンは静かに走っていきすぐに見えなくなった。
「…ってかマジ遅刻する!!!」
はるこは慌てて走って学校へ向かい、チャイムと同時に教室に駆け込んだ。



*
意味わからん。
Disaster in the morning=朝の災難


[ 12/30 ]

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