お散歩日和




「蓮、散歩行こう!」

昼食を食べ終えた私が振り返ると、満面の笑みを浮かべたデイちゃんがいた。午後に任務が入ってないことはリーダーに確認したらしい。
ちょっと意地悪したくなって
「どうしようかな〜」
と言ってみる。すると、すごく悲しそうな顔して
「だめ……かな?」
なんて言うもんだからちょっと罪悪感が生まれた。それでも、散歩に行きたいと伝えると無邪気な笑みを見せてくれた。ベタな例だけど、犬だったら尻尾を思い切り振ってるんだろう。

デイちゃんの百面相は、見ていて飽きない。

いつかそういったら
「酷いぞ、うん」
なんて泣きまねしてたっけ……


お散歩といっても、デイちゃんとのお散歩は歩くわけじゃない。どちらかというと、遊覧飛行の方がしっくりくるかもしれない。





鳥に乗ってしばらく建つと、なんだか聞き覚えのある声が聞こえてきた。すこしだけ興味がわいて、下に広がる森をのぞき込んでみる。


「あ、ナルト君だ」
「本当だ。でもまだ我慢だぞ、うん」
「わかってるよ」

ナルト君は木の上で寝転がっている。
見つかる前に逃げなければと思った時、突然彼の眼が開き、突然立ち上がったかと思ったら100人……いや、多分それ以上に増えた。そしてそれらは皆クナイを両手にもっている。


「蓮……ばれたな、うん」
「みたいね」





「螺旋丸!!!!!」




ナルト君がナルト君をバネにして一斉に飛んでくる。なんとも気持ち悪い光景で、これぞ珍百景に登録すべきものだと思う。




「蓮、飛べ、うん」
「へ?」
「喝!!!!!」














ナルト君の分身は全部消えた。

大きい鳥は爆発した。

そして私たちは……落ちている。
それも、爆風によってかなりの初速度がついているから速いい。下は一面の森。チャクラを練って衝撃に備える。まあ失敗しても木に引っかかるだろうけどね。



「蓮、大丈夫か?」
「勿論。暁が空から落ちて重傷、なんて間抜けすぎるでしょ?」
「そうだな、うん」

木の上に降り、お互い無事を確認する。

「それにしても、爆発に巻き込まれたらどうすんのよ」
「暁が仲間の攻撃に巻き込まれて死亡、なんてそれこそ間抜けだろ、うん」
「確かに」


お互い顔を見合わせてひとしきり笑った。

しばらくして無事帰路についたわけなんだけど……。
ボロボロのマントを泣く泣く直す鬼鮫の姿が脳裏に浮かんで、帰るのを躊躇ったのは2人だけの秘密。






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