団子




「蓮は木の葉は久しぶりか?」
「うん。1年ぶりかな」
「そうか……。大丈夫だとは思うが気を付けてな」
「うん。お兄ちゃんもね」


今日はお兄ちゃんと久しぶりのお出かけ。
任務で木の葉の近くに来たからと少しだけ寄ることになった。

彼の相方である鮫が熱だして寝込んでくれたおかげなんだけど……
青いはずの鮫がほんのりピンクになったうえに眼は潤んでて、すっごく気持ち悪かった。


「いらっしゃいませ!! ……あら、2人とも久しぶりじゃない。全然顔見ないから心配してたのよ」

「ありがとうございます。俺もまだ死ぬわけにはいきませんので」
「おばさんも、元気そうですね」
「まだまだ私も現役よ! あ、注文どうする?」
「みたらし団子2つで」
「はーい、ちょっとまっててね〜」

久しぶりにきた甘味所
おばさんは私達が何者か知っていても昔と同じように接してくれた。
それどころか、秘密よ、と団子を2つもおまけしてくれて……。

人の温かさを実感しながら団子を口に運んだ。













「あっ……」
「すまない。ちょっと頼みたい事があるんだが……」

団子を食べ終わり、この店こだわりの緑茶を頂きながら他愛ない話をしていたのだが、よく知った気配が近づいてくる。
忍であろうが無かろうが、ここら辺に来た女4人組が此処に立ち寄らないはずはないだろう。
そしたら私達は……戦わなくてはいけない。
それを避けるためにも、店の奥の部屋を少しだけ貸してもらった。


白眼で様子を窺うと、彼女たちは今まで私たちがいた隣の席に座っている。

「準備はできたか?」
「ええ、大丈夫」
「行くぞ」




その声を合図にお兄ちゃんが歩き出す。
堂々と、表口に向かって。


「お疲様でした!!」
「私たちお先失礼しま〜すっっ」
「うん、ありがとね」

バイトがりの若者を装っておばちゃんに声をかける。私と同期の中忍くのいちが4人もいるというのに誰も気付かない。
それどころか、お兄ちゃんに向かって目をハートにしている。


「お兄ちゃん人気者だね」
「ふっ……嫉妬か?」
「ち、違うもん」


確かに、お兄ちゃんは変化してもかっこいい。だけど私は……



「普段のお兄ちゃんの方が好きだもん」



お兄ちゃんの顔が淡い赤色になったのは
夕日のせいか、それとも……。







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