002 濁った瞳
#カカシ(出演無し)#
「カカシと別れることにしたの」
「……いきなりだね。なんかあったの?」
昔同じ班で行動してた友人に久しぶりに会ったと思ったら、そんなことをいきなり言われた。
「ナルト君達の修行が忙しいのはわかるんだけど、最近全く会えないじゃない。私も一応忍だから仕方ないってわかるんだけど、それでも休みが来るたび寂しくなっちゃうのよ」
「そういうものなの?」
「うん。零は上忍だしわかんないと思うけどそんなもんよ。忍者学校の教師は休みの日がほぼ確定してるから」
そう笑う彼女には寂しさの面影も見えない。彼女はもともと感情の起伏が激しく、抑えるのも苦手だったはずだ。なので実際は本当に寂しさはないのだろうと予想がつく。ということは、だ。
「他に男でもできた?」
「あたり。零には散々相談したから申し訳ないとは思ってるよ。てか動揺しない上にそんなとこまでわかっちゃうなんて流石ね」
「それくらいわかるって。それより、新しい人と仲良くしなさいよ」
「もちろん。……あ、会議だからもう行くね。今度話そう!!」
彼女の後ろ姿を見送ってため息をもらす。ほんと変わってない。派手な容姿、高く張った声、性格……すべてが昔のまま。
そう、鈍感なところも。
動揺しないわけがない。私……いや、私たちのことがバレたかもしれないという緊張にバレたわけじゃないことに対する安堵が重なり、私の心臓は忙しく動いていた。そして笑いがとまらない。
ようやくこの関係から抜け出せるもの。
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