5 side春日 一言だけ言わせていただきたい、 ……ど う し て こ う な っ た。 今日は一日憂鬱な気分だったので、何時にも増して空気になっていた。 そのせいかは知らないが、謙也は何かと物言いたげな目でみつめてきた、 出来れば、今日は関わりたくなかったので、無視していたのだが、 思わぬ所から援軍が出てきたようだった。 今、私は男子テニス部の部室に居る。 部員たちは練習をしていて部室には居ない、実質一人ぼっちで取り残されているようなものだった。 なぜ、今私が部室にいるかと言うと、白石に連行されたからだった。 ―――いっその事、もう帰ろうかな… 現実逃避をしていると、部員が練習を終えて帰ってきたようだった。 ぞろぞろと入ってきた彼らの中に、謙也は見当たらない。 「すまんな菖蒲さん、待たせてしもうて」 「いえ、大丈夫です。ところで、忍足君は?」 間接的に早く帰りたいと訴えると、それを汲み取ったのか、苦笑されてしまった。 「今日、謙也はコートの最終確認の当番やから、もうちょっとかかるなぁ。」 「……そうですか」 それからしばらくして、謙也が部室にはいってきた。白石が壁になって私の存在がばれていないようだった。 部員に、いろんな言葉をもらいながら奥へと進んでくると、目が合う。 目が見開かれていくのを見て、笑顔を作った。 「忍足君、お誕生日おめでとうございます。」 胸の痛みを無視する事しか、今の私には出来なかった。 END ―――――――― あとがき 謙也ハピバです! まさかの1日遅れですが(汗) 何でか分かりませんが、すこしシリアスモードに入ってしまいました。 誕生日くらい、明るい感じにしようとおもったのに... まあ、あれです、最後の方の補足をすると、 自分が祝われてきた所に、本物の謙也がいて、 それを嫌だとおもってしまう自分を嫌悪している。と言う感じです。 分かりずらかったですね;; なにはともあれ、これからも頑張っていきたいと思いますので、 これからもよろしくお願いします。 |