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side謙也


今日は俺の誕生日、朝から部活で皆がおめでとうってゆってくれたし、クラスの奴等も祝ってくれた。
毎年お決まりの、そんでもってめった嬉しい日やねん。

せやけど、誕生日なんやし、もし俺の願いが叶うんやったら、
もう一人だけ祝って欲しい人がおる。
別に好きやからとか、そんな甘い思いやなくて、ただもう少し仲良うなって、
友達って呼べるようになりたいだけやねん。

その子は、今年の夏に転校してきたんや、おとなしゅうて、あんまり馬鹿騒ぎせんのやけど、
クラスで浮く事も無くて、でもただ居るだけって感じやった。

俺なんかは、最初顔も見てもらえんかった。今は軽く挨拶する位までいっとるけど、
出来れば、もっと仲良くなりたいやん。
その第一歩として、おめでとうの言葉が欲しいねん。


隣りで白石が呆れとるのも気付かんかった俺は、目標達成のための計画を頭の中で立てながら、ちらりと彼女を見た。


彼女は一人窓の外を見とった。



side end





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