3 ぱぁんっ!! ドアを開けた瞬間爆発音が響く。 「「柳、誕生日おめでとう!!」」 しばらく扉に手をかけたままぽかんとしていた。 ――今、何が起こった?? 目の前には綺麗に飾り付けられた部室と、 レギュラーメンバー 机の上には大振りのショートケーキがあり、これまた大きなチョコレートの板にホワイトチョコで 『HAPPY BIRTHDAY 柳』 と大きく書かれていた。 つまりは、レギュラーが、皆が俺の誕生日を祝ってくれているのだ。 誰も俺の誕生日を忘れていなかった。 その事実が俺の心の中の大きな錘を取り除いてくれた。 「どうだい蓮二、良い出来だろう?」 「精市、……あぁ、そうだな。」 クラッカーの紙テープが色々な所に落ちている部室は、 まるで小学生の誕生日パーティーのようで、 俺のためにここまで準備してくれたと思うと嬉しくなった。 「いつの間にこんな計画を立てたのか、なかなか興味深いものだ。」 「まぁ、それは秘密じゃけぇ、あんま詮索しなさんな。」 「俺達めちゃくちゃ頑張ったッスから!!」 「このケーキ俺が作ったんだぜ!天才的だろぃ?」 「すまねえな柳、今年はこれで行くってあいつらが言うこと聞かねえから…」 「うむ、……まあたまには息抜きも必要だろう。」 「そうですね。今日くらいは羽目を外しても良いのではないでしょうか。」 ――あぁ、俺の欲していたものはこれだ。 口元が緩むのが自分でもわかった。 「ふむ。確かに今回のは予想外だったな。……良いデータが取れた。」 そう言うあながらも、いつものようにノートにデータを書き込むことはしない。 きっと今書いてもまともな事は書けないだろう。 それよりも今はこの雰囲気を堪能したい。 「さぁ、仕切直しに、もう一度いくよ。せーのっ」 HAPPY BIRTHDAY!! 柳 「……あぁ、ありがとう。」 ――――――――――― あとがき いやぁ、なんとか書き終わりました。 本編と違い少し甘めにほのぼのとさせてみました。 どうだったでしょうか? ここまで読んでいただいてありがとうごさいました。 |