最終話


私は、まるで彼女たちに怯えるようにして後退りをした。

彼女たちは私の行動を見て、まるで獲物を見つけたハイエナの様ににじり寄って来る。


一歩、また一歩
私たちは、屋上の隅へと移動していく。

一歩、また一歩……
カシャンッと背中の後ろで音がした。


ふりかえると、私はフェンスまで来ていた。
もう後が無い。

下を見ると、昼食を食べている人がちらほらと校庭にいた。


前を向くと、まるで獲物を追い詰めたような顔をした彼女たちがたっていた。




(あぁ、ばかばかしい
………でもいいわ、これでもう終わるのだから)




わたしは、怯えた振りを続けながら、彼女たちを見た。
そして上ずった声で、最後の警告を放つ。


「ぁ、あなたたちが、私に、いまから何をしようと、しているかは、分かるわ、
……でも、そ、そんなことしても、傷付くのはッ!!「うるさいのよ!!」」



ドン!!


私の弁解に苛立ったのだろうリーダーのような子は、
私の肩を強く押した。
 



私の体が大きくフェンスに当たる。




ガシャァァンッッ!!!




体が当たった事により、フェンスが大きな音を立て、





バキッ!!




重さに耐え切れず、フェンスが壊れた。




私の体が重力に従い、どんどん傾いていく。



視界の隅に、青ざめた彼女たちの顔が映った。
まさか、こんなことになるとは思わなかったのだろう。

いい気味である。





すべては私の計画通り。
あのフェンスが腐っていて簡単に折れると知っていて、わざとあの場所にいった。
どういう風に行動すれば彼女たちが私に手を出してくるかも計算済みだった。


じつに簡単なことである。



後は、仕上げだ。



「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

わたしは、今までに出したことも無いような大きな悲鳴を上げる。
そうすれば、下にいる数人が上を見上げるだろう。
誰か一人くらいは、彼女たちが見えたはずだ。これで自殺の線は消える。


このまま頭から落ちれば、下はコンクリートで塗装されているので、
ほぼ助からない。
頭の原型も留めないかもしれない。



(あぁいけない、にやけてしまうわ。)




これですべてが終わる。







    さようなら、大っ嫌いな世界








私は、ゆっくりと目を閉じた。
















グチャリッ














これが私の、つまらない人生の最期だった。














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