第四話
白石を呼び出した奴らを、粗方倒し、
俺は白石の方を向いた。
「怪我ないか?」
「おん、大丈夫や。」
大丈夫と言った白石の声は全く大丈夫そうじゃなかった。
それは、先輩達の所為か、それとも、
俺の所為か。
……まあ、取り敢えず白石を保健室に連れて行くのが先か。
「なあ、白石」
「……なんや?」
「取り敢えず保健室に行こか、話はそれからや」
「おん」
それから保健室に着くまでの間終始無言だった。
保健室の入り口には保健医不在の張り出しがあった。
好都合だな。
扉を開け、中に人がいない事を確認しながら、
白石を椅子に座らせると、
湿布を取り出して俺も白石の隣に座った。
「白石こっち向いて。」
「…ん」
「他に怪我したとこ無いか?」
「おん」
それからはお互いに話すことも無く、
黙々と作業を続けた。
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