第二話
今まで白石の方を向いていた先輩達が、
はじかれたかのようにこちらを向く。
真ん中にいた白石は目玉が落ちるのでは無いか、と言いたいくらい目を見開いていた。
…目ぇデカイなお前。
「なあ、先輩ら、こんな所で、何を…しとったん?」
幼児に話しかける様に、口元に笑みを浮かべながら
一言一言言い聞かせる様にゆっくりと言葉を吐き出す。
まさかバレるとは思っていなかったのだろう。
明らかに動揺している先輩達に、
口元の笑みを濃くしながら歩み寄る。
俺の顔を見て、何を勘違いしたのか
先輩達は嬉々として俺を取り巻きに入れようとした。
「ほんなら、俺も参加させて貰いますわ!」
カツッ
久々に人間を殴った感触を拳に感じた。
「っ、何すんねん!!」
「何すんねん、…やと?
そんなんこっちの台詞や!!お前こいつに手ぇだしてただで済むと思うとるんか?」
手前に居た先輩の顔面にストレートで拳をいれこむ。
反動によってぶっ倒れた先輩を心配する周りの先輩達を冷たい目でみつめる。
「先輩ら、ただで帰れると思わんで下さいね?」
もう、二度とこんな事出来ん様にしたりますから。
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