第七話
あれから数ヶ月たち、卒業シーズンになった。
侑士からは、氷帝を受けると聞き、正直安心した。
何だかんだ言って、俺は原作が変わるのが怖かったのだ。
そんな俺は、今卒業式の練習中だ。
別に前の世界でも歌うことは嫌いじゃなかったし、
むしろ好きな方だったのでそこは問題無い。
ただ
どうやら俺の体はじっとしていることが苦手みたいだった。
何故体か?と聞かれたら、俺の精神年齢が約30歳だからだろう。
体はそわそわしているのに心はやけに落ち着いている。
自分の体ながらなかなか不思議なものだと思う。
「こら謙也!!そわそわせんと、お前は大人しゅう座っとれんのか!!」
「そんなこと言ったって、先生話長いねん!いい加減疲れたっちゅー話や!!」
俺の言葉によって周りからわぁっと声があがった。
せやせやっとかもっと言ったれなど、
生まれてからは、これが当たり前だが、
どうしてもなれないものだ。
そうしてみんなギャーギャーと騒がしくしていると、
チャイムが鳴って授業が終わった。
今日はこれで授業は終わりだ。
俺は侑士を探し出し、声をかけた。
「侑士!このあとストテニよって行こうや!!」
「おん。ええで」
俺は教室に向かって走り出した。
「早く行くで!!」
「ちょっ、待てや!謙也!!」
「待てんっちゅー話や!!」
何たって俺は、浪速のスピードスターだから。
なんてな。
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