そいつはいつだって純粋で、馬鹿で、前しかみえてない所謂サッカー馬鹿だ。だけど太陽みたいに笑うそいつが羨ましくて、俺もあんな風に素直に笑えたらいいなあなんて幻想、嫉妬まじりの少しのあい。

「ねえ、天馬くん」
「どうしたの狩屋」

「おれ わらえてるかな」

天馬くんみたいに、きれいにきらきら笑えてるかな。眉が歪んでないかな、ひきつってないかな、なにより気持ちがバレてないかな。
歯を出して、笑顔をつくる。ああもう、なんで俺はこんなに不器用なんだ。天馬くんみたいになりたい。そんなきれいな笑顔で、天馬くんに笑ってみたい。
だけど不器用な俺はどうもひきつってしまうのだ。見なくてもわかる。

「笑えてるよ すごくきれい」
「えっ」
「おれは 狩屋の笑顔すきだな」

恥ずかしげもなくさらりと言う天馬くんに俺が両手で顔を覆ってしまいたくなる。ほんとうに天然って、いやだ。
強張っていた頬が一瞬にしてふにゃりとして、頬なんか熱が溜まる。そうしてそのままの顔で口角を上げて笑えば、自然と声は出る。作り笑いなんかじゃない、これは純粋に、

「ありがとう…天馬くん」
「…うん!」

その顔だよ。
そう言って微笑まれれば、心臓がいっそううるさく音を立てた。やっぱり天馬くんには敵わない。


刄Xマイルは極上の餌




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