もぐもぐもぐ。
美味しそうに口を動かすタマキを正面から眺めて、カゲミツは幸せそうに微笑む。

「うまいか?」
「うん、カゲミツは食べないのか?」

そう言って食べようとしていたチョコを差し出しくるタマキに緩く首を振る。

「俺はいいから、タマキが全部食えよ」
「うまいのに・・・」

まじまじと見てくるタマキにやんわりと微笑む。
タマキが美味しそうに食べているのを見るだけで、カゲミツは満足だった。
手についたチョコをぺろりと舐めるタマキに少しどきりとする。

「あー、おいしかった」

ふにゃりと笑ったタマキの口元にチョコがついてるのが見えた。

「タマキ、口元にチョコついてるぞ」

身を乗り出して口元を拭ってやると、タマキは恥ずかしそうに目を伏せた。

「自分で取るよ」

そう言ってティッシュを取ろうとするタマキの腕を掴まえて、自分の腕の中に収める。
驚いて目を見開くタマキに確認もせずに唇を落とした。

「あー、甘い」
「な、何するんだよ!」

頬を赤らめているタマキがこの上なく愛しい。

「あまりにもうまそうだったからさ・・・」

頬をかいて、真っ赤なタマキにもう一度口付ける。

「カゲミツのバカ」

なんて言いながら首に腕を回し、自分から顔を近付けてきたタマキに苦笑しながら唇を重ねた。
チョコは取れていたが先程よりも甘く感じたのは、きっとタマキ自身が甘いからだろう。
ゆっくりとタマキの体を横たえながらカゲミツはそんなことを思った。

甘いのはどっち?
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