次の任務に関する重要な情報までもう少し。
作業から一瞬手を休め時計を見るともう朝の6時だった。
やべぇ、寝てる暇なんかねぇ。
ここのところ、夜通し作業をしていたから今日こそ眠ろうと思っていたのにまたやってしまった。
ここで寝ると間違いなく遅刻確定。起きれる自信なんてちっともない。
カゲミツは仕方なくノートパソコンを持ってミーティングルームへと向かった。

もうちょっとだと思っていた情報は、手が届きそうで届かない。
仮眠しようと思っていたのに、時間は刻々と過ぎていく。
だんだんと焦ってきたカゲミツは、ミーティングルームのドアが開いたことに気付かなかった。

「あー!終わった!」

両手を上に上げてうんと背伸びをすると、ふと後ろから声を掛けられた。

「お疲れ様」

目の前に差し出されたカップに振り向くと、タマキが自分のカップを持って微笑んでいた。

「作業に熱中するのはいいけどたまには休めよ」

俺が入ってきたのに全然気付かなかっただろと軽くデコピンされる。
タマキがちらりと時計を確認したのでカゲミツも追う。
時刻は7時45分。仮眠出来なくもない。
でもせっかく二人きりなのにと葛藤していると、カゲミツの頭に手が伸びてきた。
そのままタマキに引き寄せられて、カゲミツの頭がすとんとタマキの肩に乗る。
数秒後、状況を理解したカゲミツが真っ赤になって逃げようとするがタマキが許さない。

「時間になったら起こしてやるから」

タマキはそう言って寝かしつけるようにカゲミツの背中をさする。
最初は恥ずかしいと駄々をこねたカゲミツだったが、疲れた体に人肌は心地が良すぎて。
一分もしないうちにカゲミツは深い眠りへと落ちた。

「おやすみ」

一時間後、ミーティングルームの扉を開いたアラタが声を上げる前にカナエがしーっと、人差し指を唇に当てる。
何事かとカナエが見守るソファーに移動すると、肩を寄せ合って眠るカゲミツとタマキがいた。

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