数時間後、カゲミツはタマキの家へとやってきた。
少し緊張した面持ちのカゲミツはどこかぎこちない。
そんなカゲミツにタマキも少し、ぎこちなくなってしまう。
玄関を入ったっきり立ち尽くすカゲミツに声を掛ける。
カゲミツをソファーに座らせて、用意してあった食事をテーブルに出す。

「作ったんだ、美味しくないかもしれないけど」
「タマキが作ってくれたのか?・・・ありがとう、嬉しい」

タマキもソファーの隣に座って二人で食事を食べる。
気持ちを伝えたいタマキと、片思いの相手の二人っきりで緊張するカゲミツ。
二人の間にどことなく気まずい空気が流れる。

かろうじて続いていた会話が突然ぷつりと切れた。
タマキは思わず膝に置いていたカゲミツの手に自分の手を重ねた。
カゲミツがビクッとなって顔が真っ赤に染まる。その様子が愛しい。
しばらくその状態で黙っていた二人だったがタマキが口を開いた。

「俺たち、こんな仕事してるだろ?いつ命がなくなってもおかしくない」

カゲミツはただ黙ってタマキの言うことを聞いている。

「だから、一瞬でも時間を無駄にしたくないんだ」

そう言ってカゲミツに抱きついて腕を首に回した。

「カゲミツのことが好きだ」

カゲミツの首元に顔を埋める。
白い首まで、赤く染まっているのが見えた。
カゲミツの手がおそるおそる背中に回った。
俺も、タマキのことが好きだったと言った声はとても震えていて。
ぎゅっと力を抱き締める力を込めると、カゲミツもぎゅっと力を込めた。

「俺の未来を、全部あげる」

だからお前の未来も俺にくれないか?とタマキが言うと、もちろんだとカゲミツは答えてくれた。

どちらともなく重なった唇は重なる度に深さを増して、絡める舌の感覚に互いに興奮する。
息をつく間に降り注ぐ愛の言葉が照れ臭いけど、とても幸せだ。
抱き着かれていたカゲミツが、タマキをゆっくりソファーに押し倒す。
いいか、なんて確認はいらない。絡み合う視線が雄弁に語っている。
キスを繰り返ししながらゆったりとタマキのシャツのボタンを外す。
焼けていない白い肌、ぷっくりとした胸の飾りに目を奪われ、まじまじと見てしまう。

「恥ずかしいからあんまり見るなよ」

タマキはそう言うと、手を伸ばしてカゲミツの服を脱がし始めた。

「じっ、自分で脱げるから!」

そう言って急いで脱ごうとするカゲミツを優しく制する。
俺だって、カゲミツを脱がせたいと言うと顔を真っ赤にしてこくりと頷いた。
お互い服を脱がしながら肌の感触を確かめる。
愛しい人に触れて、触れられているのだと思うと興奮が加速する。
首に、鎖骨にと所有印をつけて笑い合う。
カゲミツが胸の飾りに手を伸ばした。
少し固くなったそこに、笑顔がこぼれる。

「タマキ、気持ちいい?」

んんっと身をよじりながらタマキは頷いた。
初めての感覚に戸惑っているようだ。
片方は指でつまんだり、腹でこすったり、ひっかいたりと刺激を与える。
もう片方に唇を寄せてきつく吸い上げるとタマキの色っぽい吐息が聞こえた。
それに煽られたカゲミツは唇を下へ下へと移動させながらタマキのベルトを外した。
ジーンズと下着を一緒に剥ぎ取るとゆるくたちあがったソコが目に入る。
やんわりと手で包んでやるとタマキがぶるりと震えた。
タマキは快感で潤んだ目でカゲミツを見つめる。
カゲミツの中で、理性が崩れる音が聞こえた。

タマキに大丈夫かと聞く余裕もなく、激しく揺さぶる。
慣らすのもそこそこに体を繋げてしまったので最初こそ痛がっていたが、今は声をあげてカゲミツの首に腕を回している。
タマキ、好きだと耳元で何度も何度も囁いて突き上げる。
俺も愛してる、と呼吸混じりに聞こえてカゲミツのモノがぎゅっと締め付けられる。
その刺激によってカゲミツは限界に達し、タマキも欲を吐き出した。

荒い呼吸が治まるまで二人で無言で抱きしめ合った。
恥ずかしさと同時に、嬉しさも込み上げてくる。
体を離されタマキ、と呼ばれた。
カゲミツの顔を見上げると「愛してる」と真剣な表情で言われてタマキはどうしようもなく幸せな気分になった。
痛む腰を支えながらタマキは立ち上がる。
大丈夫かと手を貸してくれるカゲミツの手をひいて、ベッドルームへと向かった。

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