※キヨヒカ前提でキヨタマもあります 「キヨタカとはどこまでいったんだ?」 解散後のミーティングルーム。 珍しくヒカルと二人っきりの状況になったかと思えば、突然こう切り出されたのだ。 ヒカルの恋人であるキヨタカと世間一般にいう"肉体関係"になったのは本当に些細なきっかけだった。 イケナイ事をしている自覚もあった。 だけど一度優しい体温と強過ぎる快楽を知ってしまえばそれを手放すことは出来ずにずるずると関係を続けてしまっていた。 イケナイ事をしている、その背徳感も興奮を煽る材料になっていた。 背筋がすぅっと寒くなったタマキに対し、ヒカルはさして興味もなさそうになぁと催促するように尋ねる。 「なんで」 「え?」 「なんでそう思ったんだ?」 それは単純な疑問だった。 この関係がヒカルにバレることは絶対にないと思っていた。 キヨタカがヒカルを大切にしていることは分かっていたし、バレるようなへまはしないと思っていたからだ。 「キヨタカは上手く隠してたよ、さすがだよな」 「じゃあなんで」 「お前の視線だよ」 前は憧れって感じしかなかったけど最近はそれに熱がこもるようになった。 事もなげに言い切ったヒカルにこっそり目を見開く。 万が一バレたときはキレられて殴られるくらいの覚悟はあったのだ。 「キヨタカもお前のことは随分可愛がってたからな、まさかとは思ったけどやっぱ当たりか」 そう言われてようやくカマを掛けられたのだと気付いた。 パソコンに顔を向けたままヒカルが言葉を続ける。 「悪いな、騙すような言い方して。どうせアイツのことだから最後までシてんだろ」 恋人の浮気が発覚したというのにヒカルは全く動じる様子がない。 もしやヒカルはそんなキヨタカに飽きれたのかもしれない。 俯かせていた顔を上げると、同じくこちらを見つめていたヒカルと目が合った。 「だけどキヨタカは渡さない」 冷静な分、却って本気が感じられた。 すぐに目を逸らしパソコンに向き直しキーボードを鳴らし始めた。 「俺が間に入ったってわかってる・・・」 「・・・」 「けど俺も、そう簡単には手放せそうにないんだ」 何を言っているんだと自分でも思う。 二人は愛し合っていて、自分は邪魔者なことなんて百も承知だ。 だけどそう簡単に手放せないほど夢中になってしまったのだ。 「まぁいいんじゃねーの?」 それは恋人の余裕、なんだろうか。 ソファーに踏ん反り返ったヒカルはフッと笑ってそう言ってみせた。 「そっちの方が刺激がありそうだしな」 パタンとパソコンを閉じてヒカルは立ち上がった。 「じゃあ俺帰るから、後よろしく」 そう言ってミーティングルームを出ようとした間際、ちらりと振り返り、 「あと今日は俺がアイツんち行くから」 そう言い残してヒカルは帰っていった。 * 「お前も言うようになったな」 ヒカルの宣言から数日後、タマキはバンプアップのお隣のベッドの上に寝転がっていた。 隣にはすっきりした表情のキヨタカがタバコの煙をくゆらせながらそう言った。 「何のことですか?」 「ヒカルにバレただろ」 今一番触れて欲しくない話題にタマキが顔を曇らせた。 ヒカルにバレたから別れてくれと言われたら、しばらく立ち直れる気がしない。 黙ってごろりと寝返りをうち、キヨタカに背を向ける。 するとクツクツと楽しそうに笑ってキヨタカは顔を覗き込んできた。 「お前は別れるとか言うんじゃないかと思ってたよ」 「そんなこと、今更言える訳ないじゃないですか」 それくらい、この関係にどっぷりとハマってしまっているのに。 恨みがましく楽しそうな瞳を睨むと殊更楽しそうに笑って呟いた。 「愛されているな」 それには返事をせず心の中でほっと息を吐き出した。 とりあえず別れを切り出されることはなさそうだ。 ならば。 「俺もそう簡単に諦めるつもりはありませんから」 そう宣言して近くにあったキヨタカの唇に自分のものを押し付けた。 戦いの火蓋は今、 ついった診断メーカーより 【キヨタマ語り】第三者が、攻め側がいない時に受け側に「<攻め側>は渡さない!」と宣戦布告してきたときの受け側の反応と、その後、それを知った攻め側の反応について語りましょう。 back |