※キヨヒカ前提なので苦手な方は注意!




身体を重ねるような関係だけど、二人の間に"愛"なんて感情は存在しないのだ。
いや、存在なんてしてはいけなかったのだ。

きっかけはほんの些細なことだったと思う。
酔っ払い介抱されていたら、目が合って、絡んで離せなくなって、気付いたらという感じだ。
隊長にはヒカルがいることを知っていたし、大切にしていることもわかっていた。
だけど帰り際にまた飲もうなという誘い文句を断ることが出来なかったのだ。
そしていつの間にかヒカルとの予定がない日は軽く飲んでから隊長の家に行くのがお決まりのコースとなっていた。
最初から身体だけの関係だとわかっているつもりだった。
なのに触れてくる隊長の手は勘違いしてしまうほどに優しい。
好きになってはいけない、そう頭では理解している。
理解しているはずなのに、心は違う方へと進もうとする。

先に風呂を上がったタマキはバスタオルを畳んで身近にあったキヨタカのワイシャツに手を伸ばした。
自分のものを着ればいいのだけれど、生憎今は洗濯の中だ。
恋人と呼べる関係ならば、ここに着替えを置いておけるのに。
クローゼットを開くとシンプルな服に混じってキヨタカがいつも着ないような服が見える。
これが誰の服で堂々と置かれている理由なんて考えるまでもない、
自分は恋人ではないのだとはっきりと見せ付けられた気がして、タマキはクローゼットを閉じた。
閉じたクローゼットの前でぼんやりとタマキは立ち尽くした。

「好きって言ってもいいのかな…」

言ってしまえば、この関係は唐突に終わりを迎えるかもしれない。
もうごまかしきれないほど大きくなったこの気持ちを抱えてただの同僚に戻るなんて考えられない。
だけどキヨタカにこの気持ちを伝えてしまいたい。
伝えないと大きくなり過ぎていつかパチンと破裂してしまいそうだ。
だけどいくら考えたって名案なんて浮かばない。
身動きが取れずに葛藤を繰り広げていると、バスルームのシャワーの音が止まった。

「・・・・・・」

仕方が、ないのだ。
好きだと伝えられない相手だとわかっていながら好きになってしまったのだから。
ワイシャツから香るキヨタカの匂いに胸を締め付けられながらタマキはベッドの上に横になり、小さく息を吐いてから目を伏せたのだった。

好きって言ってもいいのかな

ついった診断メーカーより
ワイシャツ一枚で「好きって言ってもいいのかな…」と呟いているキヨタマを妄想してみよう。
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