「んっ・・・、」

ベッドの上でごろりと寝返りをうったタマキにキヨタカがくすりと笑みを零した。

「タマキ」
「・・・」

優しく名前を呼んでみても、すやすやと穏やかな寝息を立てている。
何度か名前を呼び、軽く揺すってみたりしたけれどそれでも起きる気配はない。
人のベッドだというのにぐっすりと熟睡するタマキに顔を近付けた。
まずは唇をぺろり。
ふるっと睫毛が震えはしたけれど、まだ瞼は開きそうにない。
だから薄く開いたぷっくりとした唇に、キヨタカは自分のものを重ねた。

「ん・・・、っ!!」

最初は軽く重ねるだけに留めていた。
けれどそれでも起きないタマキに堪え切れず舌を差し込んだところで目が覚めたようだ。
一瞬で状況を理解し、目を白黒させてキヨタカの肩を掴んでいる。

「んんーっ!あっ、」

チュッと音を立ててキヨタカが顔を離すと、タマキが名残惜しげな声を上げた。
じとり、タマキの顔を見ると真っ赤な顔が膨れている。

「寝てるときなんて、反則です」
「何回も起こしたんだが、タマキが起きなかったんだろう」
「だからって・・・」
「寝言で俺の名前を呼んでたじゃないか」
「う、そ・・・」

もちろん嘘だけど。
タマキは目を泳がせて明らかに動揺している。
鎌をかけるのは成功したらしい。

「遅くなるって言ってたのに来たのか?」
「はい・・・」
「勝手に俺の服を着てベッドで寝るとはいい度胸だな」
「すみません・・・」

タマキはベッドの上で正座して、しゅんとうなだれている。
そんなタマキはキヨタカが普段着ているシャツに下着という服装だ。
丈の長いシャツがタマキの太股まで隠し、まるで下には何も着ていないように見える。
顔を俯かせていたタマキが徐に顔を上げた。
恥ずかしそうに視線を少し逸らしながら。

「・・・隊長の香りに包まれたかったんです」

モジモジと指を遊ばせながら出た一言の威力は絶大だった。
起き上がったばかりのタマキをまたベッドに押し戻す。

「香りだけでいいのか?」
「嫌、です」

照れて嫌がられると思ったら、自ら腕を伸ばして背中に回してきた。
ねだるように揺れる目に苦笑して、唇を重ねた。

Good morning my lover

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