さっきからずっとタマキの無言の視線がくすぐったい。
二人で帰宅して食事も終えた夜の8時過ぎのことだった。
食後にまったりとした時間を過ごしていると突然携帯電話が鳴り出した。
聞かれて困るような電話はないから座ったまま出てみると相手は学生時代の友人からだった。
久し振りだなから始まった会話はお決まりのように元気だったかと続き、最近どうだと近況報告が始まる。
懐かしくてしばらく話し込んでいると、つんつんと裾を摘んでくる指先が小さくアピールしている。
少しほったらかしにし過ぎたらしい。
尖った唇がその証だ。
また今度会って話そうと会話を終わらせて、タマキの顔を覗き込んだ。
顔を背けているくせに密着度三割増しなんて、可愛らしい嫉妬に微笑みをひとつ。

「ほったらかしにして悪かったな」

答えは「別にっ」と可愛くないけれど、するりと腰に回された素直な腕が可愛くてこめかみにキスをひとつ落とした。

「そろそろベッドに行こうか?」

Dear envy

byChien11様(可愛らしい嫉妬で5題)
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