▽12/30 02:09

「さぁ、今日は何からやろうか?」

眼鏡を押し上げながら目の前で微笑むのは家庭教師のオミだ。
本当は目なんて悪くないくせに、賢そうに見えるという理由だけで眼鏡を掛けている。
コイツはそういう男なのだ。

「宿題はちゃんとやってるみたいだね」

よしよし、なんて頭を撫でようとする手を払い落とした。
大して年も離れていないくせに、すぐに年上ぶろうとするところも気に食わない。
目を合わせずにいると、視界の端でオミが時計に目をやってニヤリと笑った。
嫌な予感がする。

「宿題もちゃんとやってるし、じゃあ今日は違うことしようか」

眼鏡をゆっくりと外して机の上に置いた。
その姿が妙に大人びていていつも悔しくなる。

「イイコト、しようか?」

言葉とともにゆっくりとベッドに押し倒された。
両手をベッドに縫い付けられる。

「勉強教えろよ」
「じゃあ今日は保健体育ね」

クスリと笑って落ちてきた唇を受け止める。
保健体育なんか頼んだ覚えはない。
目で訴えるとオミが顔を離した。
といっても5cmほどしか離れていないけど。

「カゲミツは頭がいいから俺が教える必要なんてないんじゃない?」
「お前が来てから成績落ちてるし」

ほんの僅かなので親にとやかく言われる程ではないが、オミが来るようになってから少し成績が落ちたのは事実で。
睨んでみてもオミはクスクスと笑うだけだ。

「俺のことが好きだからってわざと成績落としてるだろ?」
「んな訳ッ!」

前髪をかき上げて額にキスを落とすキザったらしい男の言葉に固まった。
どこまで自惚れているんだろう、コイツは。

「そんな訳、ない?」

グッと顔を近付けられて言葉に詰まる。
少しでも口を動かしたら唇が触れてしまいそうだ。
黙ってしまった俺を無視してオミが続けた。
つーっと指でなぞられた頬に熱が集まる。

「俺のせいで成績が下がったのなら、代えればいい」

絶対そんなことしないと気付いているのか、オミは余裕の表情だ。
焦点が結べないほど顔が近付いてきて、唇をぺろりと舐められた。
耳元で囁く声が年の差を見せ付けられているようで嫌になる。

「わざわざ成績下がった先生の時間を増やさなくてもいいだろ?」

俺の気持ちも全部分かった上で嫌なところをついてくる。
本当、性格が悪い。

「素直に言えばいいのに」

一緒にいたいって。
クスリと笑って耳を舐められた。
卑猥な水音がマトモな思考をどんどん奪っていく。
解放された腕をオミの背中に回した。

「手が掛かる子だね、カゲミツは」

誘うように大きく開かれたオミの唇に、望み通りに舌を絡めた。

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