▽01/03 00:00

「はよー」
「おはようカゲミツ君!」

ミーティングルームのドアを開くと、カナエの膝の上に座っていたアラタがこちらに走ってきた。
その勢いのまま抱き着かれぐらりと倒れそうになったが何とか体制を整えた。
しかしアラタはそんなカゲミツを気にすることなくソファーに引っ張る。
今日はやけにべったりだならと思っているとカゲミツの膝の上に座った。

「カナエにやってもらえよ」
「今日はカゲミツ君がいいの」

とりあえず手に持っていたパソコンをテーブルに置いた。
仕事出来なくもないが、まぁやりにくい。
楽しそうにパソコンを覗くアラタを見たら結局何も言えない。
仕方なくそのままの体制で仕事を始めた。


「カゲミツ君、喉渇かない?」
「あぁ、渇いた・・・」
「ちょっと待っててね」

アラタが膝からちょこんと降りて給湯室の方に向かった。
パソコンと睨みっこ中のカゲミツはあーうーと声を上げている。

「ブラックでいいよね?」
「うん・・・?あぁ、ありがとう」

アラタが肩を揺らすとカゲミツがようやくパソコンから目を離した。
はいと手渡すと少し驚いたような顔でカップを受け取る。

「今日はやけに優しいな」
「そろそろ休憩にしない?」

カゲミツの問いをアラタが笑顔でかわした。
ソファーの隣に勢いよく座り両手でコーヒーを飲んだ。
カゲミツもソファーに深く腰かけ、カップに口をつけた。
アラタがもぞもぞと二人の間の距離を詰める。

「カゲミツ君、働き過ぎだよ」
「そうか?そんなことないだろ」
「今日くらいはちょっと手を抜いてもいいでしょ?」

その言葉にアラタの顔を見るとニコッと笑った。
ちらりと部屋の中を見回してからアラタの唇がカゲミツの頬に触れた。

「お誕生日おめでとう」

小さく囁かれた言葉と行動にカゲミツが目を見開いた。
しかし小さな子供のようなその行動に怒りも湧いてこない。

「ありがとな」
「欲しかったらもっとしてあげるよ」

しかしその後大人っぽく笑ったその顔にカゲミツが固まった。

(本当、いい年して可愛いくらい純粋なんだから)


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