▽12/05 19:39

ごほっごほっ。
最近オミの調子がかなり悪い。
最初はお前死ぬんじゃねーのなんて笑っていたけれど、そろそろそれも笑えなくなってきた。
いつもより辛そうにしていた為今日は仕事を休ませた。
ベッドの上で毛布に包まっているオミの背中を優しくさする。
ナイツオブラウンドが崩壊してようやく友達・・・、いや恋人になったのに。
苦しそうなオミの顔を覗き込む。

「大丈夫か?」
「うん、ありがとう」

無理に笑った顔は弱々しくて冗談でもあんなこと言うんじゃなかったと後悔する。
熱があるのか汗ばんだ額の髪をそっと掻き分けるとオミが名前を呼んだ。

「カゲミツ」

小さく伸ばされた手に指を絡めてオミを抱き起こした。
最近食事もまともにとっていないせいか、一回り小さくなった気がする。

「カゲミツの腕の中で死ねたら本望だよ」

笑った顔はテロリストのときのような威勢の良さも学生時代の溌剌さもなかった。
今すぐにでも消えてしまいそうで、ぎゅっと力を込めて抱き締めた。

「そんなこと言うなよ」
「カゲミツ、あいしてる」

小さく動いた唇が囁いたのは愛の言葉で、その瞬間オミがことんと糸が切れたようにまぶたを閉じた。

「・・・オミ?」

名前を呼び掛けても返事はない。
今まで我慢していたはずの涙腺が一気に決壊した。



「で、あれは何だったんだよ」
「あのときは死んじゃうって思ったんだもん」

数日後、カゲミツはとある病院の一室にいた。
不器用に剥かれた林檎をもぐもぐと食べているのは、オミだ。

あの日、動揺したカゲミツは呼吸も確認しないままヒカルに電話を掛けた。
ただごとではない様子にヒカルがキヨタカを連れてカゲミツの部屋を訪れたのはそれから五分もしないことだった。

「オミが・・・」
「嘘だろ?!」

オミを抱きかかえて涙を流すカゲミツに慌ててキヨタカが脈を確認する。

「まだ生きてる」
「病院に連絡は?」

座り込んで何も出来ないカゲミツの代わりにキヨタカがオミをワゴン車まで運んだ。
ヒカルは茫然自失としたカゲミツを立たせキヨタカの後に続いた。


「まさかただの風邪だったなんてね」

はははと笑ったオミの頭をカゲミツが全力で叩いた。
人の気も知らないでとキッと睨みつけても気付く様子もない。

「でもあの時カゲミツすげーテンパってたぞ」

お前意外と愛されてるんだなと笑ったヒカルにカゲミツが舌打ちをした。
オミはえーそれ録画してないの?なんて言っているけど。
人がどれだけ心配したと思ってるんだと言いたいのをグッと堪える。
言ってしまったらまたバカが何か言い出しそうだ。

「お前マジで一回死んでこいよ」
「俺がいないと寂しいくせに」

はははと笑ったオミに図星をつかれて、腹が立ったカゲミツはもう一発頭を叩いたのだった。

*

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