▽01/02 00:00

携帯のアラームが鳴るより前にヒカルが目を覚ました。
ぐっすりと眠るカゲミツの寝顔を覗き込んで安心する。
もう一寝入りしようと時計を確認して、あることに気付いた。
今日はカゲミツの誕生日だ。
忙しさですっかり忘れていて何もプレゼントを用意していない。
後から買って渡してもいいが、自分が一番に祝いたい。
うーんと考えながらヒカルはもう一度眠る体制に入った。


ピピピピピとけたたましく鳴るアラームの音でカゲミツが目を覚ました。
今日は目覚めがいいなとうんと伸びをしてから隣を見る。
寝起きの悪いヒカルを起こすのがカゲミツの朝一番の仕事、なはずだった。
しかし隣に目をやってもある丸まったブランケットだけで、カゲミツが首を傾げたときに声が聞こえた。

「もうそんな時間かよ・・・」
「ヒカル?もう起きてたのか?」

前の方でうーんと唸り声を上げるヒカルに近付く。

「おはよー」
「えーっと、誕生日おめでとう!」
「・・・は?」

勢いよく差し出された右手と言葉にカゲミツが目を丸くした。
一瞬の間を置いてから状況を理解した。
そういえば今日は自分の生まれた日なのだ。
目をぱちぱちと瞬かせるカゲミツに焦れたのか、ヒカルが手の上ち小さなものを乗せた。

「来年はもっといいもの用意するから」
「ありがとう、ヒカル・・・」

手の上に乗っていたのは一粒のキャンディだったが、ヒカルの気持ちが嬉しかった。

「一緒にいるんだから、一番最初に祝いたいじゃん」

照れたのか視線を逸らして言うヒカルにカゲミツも妙に気恥ずかしくなった。
妙な沈黙が二人に流れたとき、携帯のアラームが鳴り始めた。
あっ、とカゲミツが慌ててアラームを止める。

「来年も俺が一番に祝ってやるから」

呟かれた言葉はカゲミツには届かない。
当然のように来年もこの生活が続いているものだと思った自分に、ヒカルは小さく笑った。

*

うちのサイトのヒカルとカゲミツは恋愛というより家族や親友的な愛情のイメージ

home top

「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -