▽10/31 23:27

「ここでするのか?」

深く溶けるようなキスを繰り返し、いよいよシャツに手を忍ばせようとしたときにカゲミツが口を開いた。
目は潤み唾液でべとべとになったカゲミツがトキオを見上げている。
ベッドまでそう距離はないが、そんな顔を見せられてしまっては移動の時間すらも惜しく感じてしまう。

「我慢出来ない」
「・・・そうか」

諦めたようにソファーに体を預け目を閉じたカゲミツに愛しさが込み上げてきた。
多少辛くても自分を受け入れてくれようとしているのがわかって、トキオはふーっと息を吐き出した。
忍ばせた手をシャツから出してカゲミツの背中に回す。

「トキオ?」
「ここじゃ辛いよな」

触れるだけのキスをしてからカゲミツの体を持ち上げた。
驚いた声を上げるカゲミツを無視してベッドルームへ向かう。
一刻も早くカゲミツが欲しい。
逸る気持ちを抑えながら、カゲミツをベッドに横たえた。

「着いたよ、お姫様」
「だ、誰がお姫様だ!」

怒る顔も可愛いなんて言ったらもっと怒るだろうな。
そんなことを考えながらカゲミツの指にちゅっと口付けをひとつ。
暗い部屋でもわかるほど顔を赤く染めたカゲミツに覆いかぶさった。
低い声で名前を呼んで首筋に顔を埋める。
お互いの手をしっかりと握り合って行為に没頭する。
舌先を硬くしてつーっと首筋をなぞるとカゲミツが堪らず吐息を漏らした。

「ン、ッハァ」
「お前首筋敏感だよな」

耳元で囁いて息を吹き掛けるといやいやと首を横に振った。
昔は今ほど敏感じゃなかったな、なんて思い出して嬉しくなる。
そんなことを考えていると、目を潤ませたカゲミツが片手でシャツのボタンを外し始めた。
ちゃんと自分を求めてくれているのが嬉しくてトキオもカゲミツのシャツを脱がせた。
お互いに吸い付いて出来た所有印に笑い合う。
いつまで経っても薄れることのない幸せな気持ちを伝えたくて、カゲミツに口付けた。

「カゲミツ、好きだ」
「ンッ、俺も・・・ァ!」

どこもかしこも敏感なカゲミツの体に指や舌で触れる。
付き合ってもう三年も経つんだから喜ばせ方も熟知している。
直接的な刺激を与えず散々焦らしてやるとカゲミツが顔を真っ赤にして言った。

「トキ、オ・・・おねがい、」

熱を帯びた声でトキオの首に腕を回して引き寄せた。
さわって、と小さく囁かれた言葉にトキオは自分の体が急速に熱を帯びていくのがわかる。
喜ばせ方を熟知しているのはカゲミツだって同じだ。
望み通りに触れてやるとカゲミツの体が大きく跳ねた。

「ッハ、ン・・・アッ」
「カゲミツすごい気持ちよさそう。そんなに触って欲しかった?」
「違、っあぁ!」

自分から煽っておいて痴態を口にされると真っ赤になって恥ずかしがる。
そのくせ手はぎゅっと肩を掴むのだから始末に負えない。
無意識に押して引いてが上手いのだ。
リードしているつもりが逆にリードされているんじゃないかとすら考えてしまう。

性急にカゲミツの体を慣らしてひとつに重なる。
苦しそうな呼吸を繰り返す汗ばんだ髪を掻き分けて額にキスを落とした。

「・・・動、かねぇ、の?」
「もうちょっとカゲミツの顔を見てたいんだけど」
「バカ言っ、っひゃ、あ、」

何か言おうとしたカゲミツを無視して突き上げた。
高い声を上げて反った体を無視して何度も腰を打ち付けると、しばらくはされるがままだったカゲミツが自ら腰を振り始めた。
白い肌が赤らみ、汗を浮かべて快感に溺れる姿は自分しか知らない。
そう思うとぷつんと理性の糸が切れた。


「今日いつもより激しくなかったか?」
「なんか喘いでるカゲミツ見たらセーブ効かなくなっちゃっ、痛っ」

聞かれたから素直に答えたら殴られた。
恥ずかしいのかシーツを頭までかぶったカゲミツの腰を布越しに撫でる。

「何ならもう一回くらい出来るけど?」
「もう無理だ・・・っ」

さわさわと意味深に撫でるとカゲミツが息を詰めた。
シーツを掴む手が緩んだのが分かって、勢いよくめくると恥ずかしそうに唇を噛む姿が目に入った。
ちらりと見えたカゲミツの中心は緩く立ち上がっていてニヤリと唇が歪んでしまう。

「体は正直みたいだけどなぁ」

そう言ってカゲミツの顔の横に手をついて唇を重ねる。
観念したように伏せられた目がやけにセクシーだなとぼんやりとした頭で考える。

「何考えてんだ?」
「いや、別に大したことじゃ・・・」

紡ごうとした言葉はカゲミツに仕掛けられたキスに遮られた。
今は俺以外のことを考えるなと耳元で聞こえた小さな声にまた煽られてしまう。
こんなに夢中になったのは初めてだなと思いながらカゲミツの秘部に手を伸ばした。

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