▽10/01 01:49
「ねぇ、俺達もどこか遠くに逃げよっか」
「何言ってんだよ」
開け放たれた窓から吹き込む風がさらりと金髪を揺らす。
その金髪を愛おしそうに撫でてオミは窓の外に目を向けた。
ベッドに横たわっていたカゲミツも体を起こしてオミの視線を追う。
小さな四角形からは青い空とそれを横切る鳥が見えてオミが小さく笑った。
「俺も鳥みたいに自由に生きたいよ」
「らしくねぇな」
「カゲミツといるときくらい穏やかでいたいんだよ」
そう言って近付いてきた顔にカゲミツが瞼を閉じる。
程なくして重なった唇に思わず息が漏れた。
「オミ、・・・まだ時間あるか?」
「あと一回分くらいはあるよ」
「バカ、なんでその計算、アッ」
「カゲミツの言いたいことなんてすぐわかるよ」
腕をついて起こしていた上体をオミがゆっくりと押し倒す。
言葉とは裏腹にカゲミツはされるがままになっている。
「じゃあ俺が今何考えてるかわかるか?」
「早く欲しい、かな?」
「一緒に生きよう、だ」
このひと時が終われば敵同士になってしまう関係だから。
ホカンとしているオミの首に腕を回す。
一人でどっか行くんじゃねぇぞ。
耳元で囁かれた言葉はオミの理性を吹き飛ばすには十分過ぎた。
喘ぎ声を上げるカゲミツに一回で終われるかな?と心配になりつつ腰を打ち付ける。
いつか全部終わったときには二人で気の向くままに過ごせればいいな。
そんなことを考えながら。
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