▽08/03 17:44

「カゲミツ、俺とゲームしないか?」
「嫌だ」

振り返ることもなく言うカゲミツに、仕事と恋人どっちが大事なのなんて女々しいことを聞きたくなってやめた。
カゲミツともう一度名前を呼んでも、振り返るどころか答えることもしてくれない。
そんなツン全開の恋人に、今日はピッタリな方法で本心を聞きだそう。
ゲームの内容を話せばカゲミツは必ず乗ってくる。
そう確信してオミはゲームの内容を話始めた。

「カゲミツはただ俺の質問にいいえって答えるだけだ、簡単だろ?」

カゲミツの肩がぴくりと揺れたのをオミは見逃さなかった。
カゲミツ、優しく名前を呼ぶと仕方ねぇなと声が返ってきた。

「負けたらカゲミツからキスしてね」

はぁ?と振り返ったカゲミツに勝てばいいんだよと笑顔で答える。
それを聞いてカゲミツは不服そうだがパソコンに向き直った。
やってはくれるようだ。
そうなると、あとはこっちのもんだ。

「今日はいい天気だね」
「いいえ」
「明日も晴れるといいね」
「いいえ」
「カゲミツ晴れの日嫌い?」
「いいえ」

まずは当たり障りのない質問から、だ。
あまり長くなると飽きてしまうので少しずつ、核心をついていく。

「明日晴れたら二人でデートに行こうか」
「いいえ」
「じゃあ雨なら行く?」
「いいえ」

デートのお誘いにも躊躇いなくいいえと答えるカゲミツ。
一応恋人なんだから、少しくらいは躊躇って欲しい。
黙ってしまったオミの服をカゲミツが引っ張る。
もう終わりかという目がオミを見る。

「俺とカゲミツは付き合ってるよね?」
「いいえ」

ゲームとはいえ(しかも自分から言い出した)ここまできっぱりと否定されるとさすがに悲しい。
言葉で聞けないなら、せめて態度で気持ちを知りたかった。
そう思って考えついた作戦だったが失敗したようだ。

「これが最後の質問だよ、・・・俺のこと好き?」

どうせきっぱりと否定されて終わりだと思っていたのに、カゲミツは何も言わない。
不思議に思って近付いて顔を覗き込むと、唇に柔らかいものが当たった。
予想だにしなかった行動に目をぱちぱちとさせているとカゲミツが続けた。

「俺からも質問だ。こういうことされるのは嫌か?」
「・・・いいえ」

予定とはだいぶ違うけれど、カゲミツの気持ちを知ることが出来た。
顔が赤くなってしまい格好悪いけどこの上なく幸せだ。

「明日晴れたらデートに行こうよ」
「嫌だ」

じゃあ雨?と聞いてもカゲミツは首を横に振った。

「じゃあ曇り?」
「晴れても雨でも曇っても行けばいいだろ」

恥ずかしいのかそっぽを向いたカゲミツが可愛くてその白い首筋にぎゅっと抱き着いた。

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