▽02/03 01:39
任務を終えた深夜のミーティングルーム。
さして大変な任務でもなかったけれど少し汗ばんでしまった。
家にもシャワーはあるが準備をするのが面倒臭い。
ならばミーティングルームにあるシャワーを使おうとドアを開くと、そこには先客がいたようだ。
「…いきなり開けんな!」
まさに今シャワーを終えたばかりといったカゲミツが下着姿にバスタオルとなんとも色気のない格好で立っていた。
気付いた時点でドアを閉めれば良かったのだけど、ついついカゲミツの裸体に目がいってしまった。
「おまえ、脱いだらより貧弱だな」
普段から細いとは思っていたがここまで細いとは思っていなかった。
筋肉があるのか確かめたくなって伸ばした手はパシンと払い落とされてしまった。
「うるせぇ!っつーか出て行けよ!」
カゲミツがキャンキャンと吠えているが、今はそんなことよりも細過ぎる体が気になる。
「おまえちゃんと飯食ってる?」
「食ってるから!」
「じゃあ今日何食べた?」
いつも銭湯に行ってるはずなのに、カゲミツは恥ずかしいのか腕をクロスさせて体を隠した。
女子か!というツッコミはギリギリ脳内でとどめて置く。
「…今日は栄養ドリンクだけだ…」
そんなことを考えているとカゲミツが何を食べたが思い出したらしい。
最早それは食べ物ではないけれど。
「食ってないじゃん」
正論で返すとカゲミツがグッと言葉に詰まった。
多分日頃からろくな食事をとっていないのだろう。
「みんなの為に頑張ってくれてるのは分かるけど、それで倒れたりしたら本末転倒だろ?」
「…」
「今度からちゃんとご飯を食べること」
リーダー命令だと付け加えると、渋々ながらもカゲミツは頷いた。
しょぼんとした表情がまるで犬みたいで、みんながわんこだと評しているのがわかった気がする。
「あ、明日の朝ごはん俺が作ってやるよ」
「いいって!起きれねーし!」
「俺の家に泊まればいいだろ?」
「いやいやいや」
カゲミツは拒否しているがこれはもう決定事項だ。
そうと決まれば明日に備え早く部屋に戻りたい。
「すぐシャワー浴びてくるから逃げるよ」
「逃げても捕まえに来るんだろ」
諦めた表情を浮かべるカゲミツの頭を撫でていると、ガチャリと音を立ててシャワールームのドアが開いた。
「お前らってそーゆー関係だったの?」
半裸のカゲミツにネクタイを緩めながら頭を撫でているトキオ。
確かにこれはそーゆー関係と疑われてよ仕方がないかもしれない。
驚きというよりと面白いものを見つけたといった表情のヒカルがニヤリと笑う。
一瞬の間の後、深夜にも関わらず違うと絶叫したカゲミツのグーパンチが飛んできたのは食らっておいてやったのだった。
*
おにーさんはカゲミツの細さに驚いたらいいと思いますよ!
これはただのお節介焼きなおにーさんでした∧( 'Θ' )∧
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