▽09/11 01:02

「下らない冗談を言うな」
「冗談なんかじゃありません」

キヨタカがそう言いたくなるのも仕方ない。
アラタとカゲミツがぶつかった拍子に中身が入れ替わっただなんて、普通は信じられないだろう。
けれどそんな信じられないことが実際に起こってしまったのだ。
部隊のリーダーとして、恋人として帰宅後のキヨタカに伝えてみたけれど反応はみんかが予想するようなものだった。

「どうせ二人で口裏を合わせて遊んでいるだけだろう」
「アラタはともかく、カゲミツがそんな器用なこと出来るとは思えません」

こちらを見ようともせずにネクタイを抜いているキヨタカはきっと本気で冗談だと思っているのだろう。
ヒカルの言った通り、やはり上層部に行った後は機嫌が良くないようだ。

「中身が入れ替わるなんて、マンガじゃあるまいし」

つくならもう少しまともな嘘にしろと言い残してキヨタカは部屋を出て行ってしまった。
帰ってきたときよりも不機嫌さを増したその背中をタマキも急いで追い掛ける。

「しかしカゲミツはともかく、アラタが抜けると戦力的に落ちてしまいます」
「タマキ」

コップ一杯の水を一気に飲んで低い声で名前を呼んだ。
タマキがこれは良くない状況だと思うより早く、壁に身体を押し付けられた。
唇が触れ合いそうなほど、近い。

「た、いちょ…」
「だから下らない冗談はよせと言っているだろ」

そう言うなり噛み付くように唇を奪われた。
いつもとは違う荒々しいキスに、逃げようとしてもキヨタカがそれを許してくれない。
抵抗しようとした両手はしっかりと押さえつけられている。

「言うことが聞けない子にはお仕置きだ」

耳元で低く囁かれてびくんと身体が反応してしまう。
冗談なんかじゃ、と言いかけた言葉は声になることなく吸い込まれた。

*

なんか思ってた感じにならなかった…
カゲミツアラタの入れ替わりイベントで、上層部帰りの不機嫌隊長に報告に行ったタマキが理不尽に当たられる妄想でした
本家版キヨタカは上層部に行ったからと言って機嫌が悪くなっても、それを他人に見せるようなことはしないんじゃないかと思います。
なにせ完璧な男ですからね!

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