▽05/16 00:45
「もうちょっと頑張る、ねぇ」
二時間前、そう言ってパソコンに向かったカゲミツは今、テーブルに体重を預けすやすやと寝息を立てていた。
腕の隙間から見える寝顔はだらしなく口を開いていて、可愛らしいなんて物ではない。
「ぶっさいくな寝顔だね」
そう呟いてみてもカゲミツが起きる気配はない。
ちらりとモニターに目をやると二時間前からほとんど進んではいないようだった。
「カゲミツ」
「…」
「カゲミツってば」
身体を揺すって名前を呼ぶとようやくカゲミツが薄く目を開いた。
「こんなところで寝たら風邪ひくよ」
「寝てねぇ」
「ほとんど進んでないんだから今日はやめときな」
ほらと言って腕を引くと思いの外すんなりとカゲミツは立ち上がった。
文句のひとつでも言われるだろうという予想も裏切り、黙ってオミに手を引かれている。
寝室のドアを開け、ベッドに転がすとまるで寝言のようにむにゃむにゃとカゲミツが口を開いた。
「おやすみ、オミ」
ちゃんとした言葉になっていなかったけど、多分こうだ。
相当眠たかったのかカゲミツはもう穏やかに寝息をたて始めている。
寝ぼけていても呼び掛けているのが自分だとわかってもらえることが嬉しい。
心がほんのり暖かくなるのを感じながら、オミもベッドに潜り込んだ。
「おやすみ、カゲミツ」
頬にキスをひとつ落としてオミも瞼を閉じた。
*
オミさんにぶっさいくな寝顔だねって言って欲しかっただけですよ\(^o^)/
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