▽04/25 22:54

長年の恋が実り、カゲミツとタマキは晴れて恋人同士になった。
というのにカゲミツには大きな悩み事があった。
それはカゲミツとタマキが付き合うきっかけである。
もしタマキと付き合うようになれば、自分が抱く側になることしか考えていなかったカゲミツ。
しかし現実はカゲミツの妄想とは裏腹に抱かれる側になってしまったのだ。
タマキと付き合い、繋がれることは嬉しい。
けれどこれはカゲミツにとって予想外の展開だった。

あの日からちょうど一週間後、カゲミツはタマキの家に来ていた。
タマキが夕食を振る舞ってくれるというのだ、あんなことがあったとしても断れるカゲミツではない。
初めて食べる手料理を堪能し、幸せな気持ちでテレビを見ているとタマキが隣に腰を下ろした。
距離が、近い。
意識をテレビに集中させていると、ふと名前を呼ばれた。

「カゲミツ」
「ん、どうし・・・っ!」

どうしたと言い掛けた言葉は、タマキの口の中に吸い込まれてしまった。
最初から噛み付くような激しいキスをされて、カゲミツは驚く暇もなくソファーに押し倒されていた。

「タ、マキ・・・」
「カゲミツ、可愛い」

息が上がり、苦しさからうっすら涙を浮かべた瞳で見上げられたら思わず口に出してしまっていた。
今度は優しく啄むようなキスを降らす。
唇だけではなく、額に頬に耳に鼻のてっぺんにと愛しさを伝えるように名前を呼びながら繰り返す。

「あっ・・・!」

キスをしている間に服の裾から手を忍ばせて、胸の突起に触れるとカゲミツが声を上げた。
じっとその顔を見つめていると、恥じらったように逸らしてギュッと唇を結んだ。
カゲミツのその行動のひとつひとつが、どれだけタマキを煽っているかわかっているのだろうか。
首筋を唇で撫でながら突起を弄ると、声を我慢しているのがわかった。

「声、我慢するなよ」
「やだ・・・」
「気持ちいいんだろ?」

耳に息を吹き込むように囁いてやると、カゲミツが緩く首を横に振った。
だから服の上から主張するその部分を指でなぞった。
びくっとなったことに気を良くし、やんわりとそこを揉んでやる。

「や、あっ、やめっ」
「やめない、だってカゲミツ感じてるじゃんか」

それでもカゲミツは否定するように目を閉じて顔を背ける。

「わかった、じゃあもっと気持ち良くしてやるよ」

そう言うなり、タマキは床に座り込んだ。
反応を示すカゲミツ自身を取り出し、躊躇うことなく口に含んだ。

「タマキ!」
「どうだ?」
「しゃべっ・・・!」

喋るなと言いたいのに、初めての快感に言葉を上手く紡げない。
閉じようとする足を広げてタマキは口でカゲミツを高めていく。
これは片思いの頃から何度も夢に描いたシチュエーションだった。
だけど、今の状況はカゲミツが思い描いていたものとは真逆の状態だ。

「カゲミツ、すっげー可愛い」

余裕のある笑みでタマキが見上げてくる。
その表情は可愛いどころか普段よりも男らしく見える。
そしてそれを眺める自分は達してしまいそうになるのを我慢するので精一杯だ。
タマキの髪を撫でて可愛い、なんて言っている余裕は微塵もない。

「イキそう?イっていいぞ」

そう言われて手と口で激しく扱かれてカゲミツは達した。
はぁはぁと荒い息を繰り返すカゲミツとは対照的に、タマキは平気な顔でごちそうさまなんて言っている。
このままでは前と同じように主導権を握られっぱなしだ。
だから意を決してカゲミツは口を開いた。

「俺も、タマキのを」

そこで言い淀んでしまった。
ナメたい、くわえたいじゃさすがに情緒がない。
何と言おうかと考えて、ふと思い付いた。

「俺にもタマキを愛させてくれ」

一瞬きょとんとしたタマキだったが、ふわりと笑って頷いた。
かくしてカゲミツの反撃が始まったのだ。

「んぐ、ん・・・」
「そうそう、カゲミツ上手いぞ」

ここでタマキを骨抜きにして主導権を自分のものにしよう。
そう考えていたカゲミツだったが、実際はそんなに上手くいかない。
一生懸命舌を使ったり手を使ったりと愛撫しているが、タマキは余裕の表情でカゲミツの髪を撫でている。
さっきの自分のように息を荒くするどころか、可愛いなんて言っているほどだ。
しばらくそうしていると、タマキがもういいと行為を止めた。
何だと見上げると、身体を抱き上げソファーに押し倒された。

「すげー気持ちよかった」

そう囁かれて、キスをされて。
気付けばツナギを脱がされていて、タマキの指が秘部に触れていた。

*

結局またタマキに抱かれてしまったカゲミツ。
ふと目を覚ますと、幸せそうに眠るタマキの顔が見えた。
起き上がろうとしたけれど、タマキに抱きしめられていて起き上がることが出来ない。
それに身じろぎするだけで全身に痛みが走る。
はぁと溜め息をついて、すぐ近くにあるタマキの寝顔を見つめた。
幸せそうにすやすやと寝息を立てている。
これもカゲミツがずっと見たかったものだ。
いろいろ思い描いていたこととは違うところはあるけれど、これはこれで幸せだ。
そう思って、カゲミツは再び瞼を閉じた。
いつか、絶対タマキを抱いてやる!
そう心に思いながら。

*

突然こんなハズじゃなかったのに、なカゲミツを書きたくなって書いてみました
タイトルはtccmをちょっともじっと←
曲名で歌詞検索してみたけど出てこなかった・・・(´・ω・`)

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