▽03/24 21:45

「カゲミツ、ダメだって」
「こんな時間に誰も来ねぇよ」

場所はミーティングルームのソファーの上。
嫌だと首を振るタマキの上に興奮した様子のカゲミツが乗り上げていた。
タマキの両手を束ね、性急に首筋に唇を這わしている。

「あっ」
「タマキだってやる気じゃねぇか」

片手でタマキの手を抑えて、シャツの上から胸に触れる。
息を詰めたのに気を良くして、人差し指の腹で摩ってやると頬にサッと赤みがさした。

「感じてるだろ?」

耳元で囁いて、形の良い耳たぶに舌を這わす。
くちゅくちゅと卑猥な音が静かな部屋に響く。
タマキはブンブンと首を振っているが気を抜けば上げてしまいそうな声を我慢しているように見える。
形を見せはじめた突起を緩く摘むと、堪らず声を漏らした。

「声、我慢するなって」
「い、やだ・・・」

普段、ベッドの上でカゲミツが持てる最大限の誠意を尽くしているおかげでタマキがこんなに嫌がることはない。
嫌がりながらも駆け登ってくる快感に抗えない。
そんな矛盾に苛まれるタマキはとてつもなく扇情的だ。
たまにはこういうのも悪くない。
初めて見るタマキの反応に夢中になっていたカゲミツは、ミーティングルームのドアが開いたことに気付くことが出来なかった。


「職場で楽しそうなことをしているな」

いるはずのない人の声が近くに聞こえカゲミツは驚いて振り返った。
真後ろでニヤリと口を歪めて笑うのはキヨタカだ。

「純情そうなタマキがこんなに乱れるなんて、やるじゃないか」

エロイ顔がそそるな、そう付け加えられて慌ててタマキに被さってキヨタカの視界から守る。
両手を自分のネクタイで束ねられ、脱げかけたシャツから左上半身を露出させている。
おまけに顔を赤くさせ、うっすらと涙目になっているのだ。
恋人という贔屓目をなしにしてもエロイ。
そそるというキヨタカの言葉はこれ以上ないくらいピッタリだ。
だからこそキヨタカに見せる訳にはいかない。

「いつからいたんだよ!?」
「お前がタマキを見てニヤニヤしているときからだ」

それは今から数分前のことだ。
入ってきたならさっさと声を掛ければいいものを。
カゲミツが口には出さずキヨタカを睨みつける。

「声を掛けるタイミングがなかったんだ」

タマキは声も可愛いな。
そう言われて、自分だけじゃなくキヨタカもタマキの痴態を楽しんでいたのだとわかった。
有り得ねぇ、思わずそう言葉を漏らしてしまった。

「タマキが嫌がってるのにここでするから悪いんだろ」
「べ、別に嫌がってなんかねぇだろ!」

その証拠にタマキはちゃんと感じている。
そこまではさすがに言わず手を払う。

「だからさっさと帰れよ」
「そういう訳にはいかないな」

ここは職場だとキヨタカは珍しく尤もらしいことを言う。
カゲミツとしては早く続きをしたくて仕方がない。
どうにかキヨタカを追い払う方法はないかと考えていると、スッと腕を取られた。

「お前もタマキの気持ちをわかった方がいい」

言うなりキヨタカは見事な手際で自分のネクタイを外しカゲミツの両手を束ねた。
驚く暇もないほど素早い動作だった。

「ちょ、え、えー!?」
「もっと色気のある声は出せんのか」

冷たく一瞥してからキヨタカが両手の拘束を解いてタマキを起こした。
その場所に肩を押してカゲミツを倒す。

「嫌だって言ったのに怖かっただろ?」
「隊長・・・」

まるでおとぎ話の勇者とお姫様のように甘い雰囲気を垂れ流す二人。
このままキスでもするんじゃないかという空気にカゲミツがあーっと大きな叫び声を上げた。

「うるさいな」

良いところだったのにと聞こえたのは気のせいだと信じたい。
使えない手の変わりに足をバタバタとさせる。

「おい、どういうことだ!」
「タマキはわかっているな?」

質問には答えずキヨタカはタマキを見遣る。
コクンと頷いたタマキは、さっきとは打って変わって男らしい表情に見えた。



「や、あっ」
「気持ちいい?」

シャツの中に手を突っ込まれてくにくにと胸を弄られているのはカゲミツだ。
背後からタマキが手を回してカゲミツの両方の乳首をまさぐる。
押し潰されたり摩られたり、絶え間なく襲ってくる刺激に声を上げることしか出来ない。

「こっちも気持ちいいだろ?」

下着越しに触れながらそう言ってくるのはキヨタカだ。
キャパシティを越えた快感に、正常な思考力がなくなっていく気がする。
大きく開かれた足が恥ずかしいはずなのに、いつの間にかそれすらも快感にすり替わってしまう。

「アッ、も、ダメ」
「もうイキそう?」

耳元で聞こえたタマキの声に必死で頷く。
すると顎を掴まれ強引に深いキスをしてきた。
気付かない間に直接モノに触れていたキヨタカが動かす手のスピードを上げる。
声にならない悲鳴を上げ、身体をビクビクと痙攣させながらカゲミツは達した。
ぐったりとタマキに体重を預けるカゲミツは気を失ってしまっているようだ。
汗ばんで額に張り付いた髪を指で退けてやる。

「邪魔して悪かったな」
「いえ、あのまま流されたくなかったので助かりました」

それに恋人の新たな一面を発見出来たのだ。
髪を撫でながら愛しいカゲミツの頬にキスを落とす。

「今度からはもっと深夜にするんだぞ」

デスクから資料を取ったキヨタカがそれだけ告げて去って行った。
後ろから抱きしめながらカゲミツが目を覚ますのを待つ。

「俺、カゲミツ抱けるかも・・・」

タマキがぽつりと呟いた言葉を、カゲミツは知る由もなかった。

*

なんか急に3Pっぽいのが書きたくなっちゃいました(・ω<)☆
いろいろとごめんなさい
誰得かといえば私得です←

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