▽03/11 16:39
部隊にいる間は感じなかったけれど、普通に生活を送っていると季節の移り変わりというものを感じるらしい。
日々の景色の変化を見ながら、カゲミツはふとそんなことを思った。
季節は移り行く、それはそれだけの時間が経過しているということだ。
なのに、ぼんやりと空を見上げるタマキの時間はあの時からずっと止まったままだ。
帰ってくる望みなんてもうほとんどないのに、今日もカナエを待ち続けている。
タマキには咲き乱れた桜が散り、新緑が芽吹く季節の移り変わりが見えているのだろうか。
「タマキ・・・」
「どうしたんだ?」
思わず漏れた声にタマキが振り返って小さく首を傾げる。
立っているだけで汗ばみそうだというのに、タマキは平気な顔でいつもの場所に座っている。
何をすれば止まったままの時間が動き出すんだ?
考えても考えても答えは出ない。
カゲミツには傍にいて、一方通行な愛情を注いでやることしか出来ないのだ。
「なんでもないよ」
そう微笑んでタマキに前を向かせる。
自分のこの行動が正解かどうかすら分からない。
けれどカゲミツは自分を、タマキを信じるしかない。
「またひとつ、季節が変わっちまったな・・・」
小さな独り言は今度はタマキには届かなかった。
かつての太陽のような笑顔を思い出して、カゲミツはやり切れない思いを溜め息と共に吐き出した。
*
一応違うカプでもっとハッピーな方向にお話を考えてみたんですが上手くいきませんでした
最近肩凝りが酷くてお話がなかなか書けません
書きたいのに書けないこのジレンマ感・・・!
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