▽02/20 19:51
ふとつけっぱなしだったテレビに意識をやると、最近流行りのドラマの主題歌が流れていた。
(♪愛なき時代に生まれたわけじゃない)
聞いたことのあるメロディで歌詞を追ってみて、口を歪めた。
過去の自分ならきっとこの歌詞を聞いて憤っていただろう。
両親が死に、妹は植物状態。
世間からは避難の目を浴びてひっそりと生きていたあの頃。
あのとき、どこを探せば愛なんてあったのだろうか。
だけど今こうして落ち着いていることが出来るのはその愛を見つけたからだろう。
少しつんけんとしたところはあるけれど、それも可愛いものだ。
意識をテレビに戻して続きの歌詞を目で追う。
(♪キミにあいたい)
今まさに自分が考えたこととピッタリと一致していて思わず顔が綻んだ。
ピッとテレビを消して携帯を取り出した。
恋人からの電話だというのに返事は素っ気ない。
「なんだよ」
「今から行ってもいい?」
「遅ぇし来んな」
「カゲミツに会いたくなっちゃったんだ」
知らねぇとカゲミツは可愛くないことを言うけれど、もう玄関で靴をはいてしまっている。
「ね、明日一緒にCD買いに行こうよ」
「めんどくせー」
そんなことを言いながらもきっと一緒に行ってくれるのだ、カゲミツは。
パタンとドアを閉めカチャリと鍵を閉める。
電話の向こうでその音に気付いたカゲミツがわーわーと喚くけれど、後で聞くからと電話を切って。
夜の道、愛しいカゲミツの待つ家へと足を早めた。
*
「承知しました」のおかげでバカ売れしたあの曲ですよ
歌詞をよく見たらカゲタマでもいいかなぁと思いました
CD聞いてフェスで見るレベルやけどせっちゃん、好きだーっ!←
ずっとウソだったんだぜー!をずっと好きだったんだぜーの後にやったのは最高でした
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