▽02/03 00:49

徹夜なんて日常茶飯事といえども、何日も続くとさすがに疲れが溜まってくる。
だるい体をなんとか引きずって定位置のソファーに座る。
少しだけ取った仮眠はかえって眠気を増長させてしまったようだ。
今にも意識を飛ばしそうになりながら、パソコンの電源を入れた。



「カゲミツ君、今日はご機嫌ななめなの?」

無意識のままキーボードを叩いていると、アラタが恐る恐る声を掛けてきた。
首を動かすのも億劫でゆったりとした動作でアラタを見遣るとビクリと小さく震えた。

「え?」
「顔が怖い」

もしかして、僕がカゲミツ君のプリンを勝手に食べちゃったから怒ってるの?
そう続けたアラタに、さっきから気まずそうだったのはそういうことだったのかと理解した。
ただ眠たいだけであって、決して不機嫌ということではない。

「徹夜続きで眠いだけだ、誤解させて悪かったな」

頭をくしゃりと撫でてやると、アラタが安心したように笑った。
いつも妙に大人びた感じがするけれどこう見ると年相応だ。
つられてカゲミツも笑顔を見せる。

「でも俺のプリン勝手に食ったのか?」
「あ、言わなきゃバレなかったんだ・・・」
「こらっ!」

さっき撫でた手をグーにしてアラタの頭をグリグリとしてやる。
痛いなんて言っているけど表情はイタズラがバレた子供みたいに笑っている。

「ごめんなさい」
「いい、その代わり・・・」

そう言ってアラタの太ももに頭を預ける。
もう眠気が限界だ。

「ちょっとだけこのままでいろ」
「そんなんでいいの?」
「あとでプリンも買って来い」
「えー、カゲミツ君のケチー」

そんなアラタの声を聞きながらカゲミツは意識を手放した。
ほんのちょっとだけと思っていたのにぐっすりと熟睡してしまい、足が痛いというアラタにプリンを買わされる羽目になることをカゲミツはまだ知らない。

*

恐る恐る窺うように怒ってる?
って聞くアラタが書きたいなと思って妄想が膨らんだ結果これでした

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