▽09/21 23:44
時刻は夜中の1時も回ったところ。
パソコンに向き合いっぱなしで凝った肩を叩きながらカゲミツは自宅のドアを開けた。
「ただいま」
「おかえりー」
間延びした声とともにトキオが歩いてくる。
もうお風呂に入ったのかパジャマ姿でいつも髪もおろしたままだ。
「先に寝ててもよかったのに」
「愛しいダーリンの帰りを待たずに寝れないだろ?」
「何がダーリンだよ」
甘えるように擦り寄ってきたトキオに、堪えきれず笑いが吹き出す。
トキオも可笑しそうにクスクスと笑った。
「そういえば晩飯まだだよな?」
「ああ」
「風呂の間に作るから先に入ってこいよ」
手に持っていたカバンをわれ風呂場の方へと背中が押される。
脱衣所には既にバスタオルと着替えが用意されていた。
軽くシャワーを浴びて風呂から上がると、トキオはまだ料理の最中だった。
パジャマの上からエプロンをつけていて、なんだか少し変な感じだ。
「もっとゆっくり入ってもよかったのに」
「せっかく作った料理が冷めたら悪いだろ」
「お、カゲミツ優しいなぁ」
ハハハと笑ってトキオは受け流す。
自分の方がよっぽど色々気を使っているくせに、何を言ってんだか。
「俺に出来立てを食わせたくて起きてたんだろ?」
「・・・バレてた?」
恥ずかしいなぁ、なんてクスクスと笑っている。
いつも料理は出来立てが一番うまいと言ってるんだから、わからないはずはない。
「・・・ありがとう」
「そんなに真剣に言われるとお兄さん照れちゃうじゃん」
皿に盛り付けする手を止めずにトキオが笑う。
じゃあご褒美にチューして欲しいなぁ、なんて付け加えて。
トキオからするとほんの冗談のつもりだったのかもしれない。
けれどカゲミツはきつく目を閉じて自分のものをトキオの唇に押し付けた。
「・・・これでいいか?」
滅多にしない行動をし、カゲミツの顔は羞恥に赤らんでいる。
そんな顔で伺うように上目遣いをされたらたまらない。
「もっと、してほしいな」
そう言いながらトキオは自分から顔を近付けた。
ん、とカゲミツから小さな声が漏れる。
啄むようなキスを繰り返していると、ふいにカゲミツが肩を押した。
「料理が、冷めるだろ」
二人向かい合ってカゲミツは遅めの夕食を取る。
気恥ずかしくて目の前のトキオを見ることが出来ない。
「あれ以上のことやってんのに、カゲミツったら可愛いねぇ」
「う、うるせぇ!」
「あ、そういえば明日朝から半休取ったから」
遅くなることを見越して考えていてくれたのか。
箸をくわえたままトキオを見るとニッと笑顔を向けられた。
なんだか、悪い予感のする笑顔だ。
「さっきのカゲミツ、本当可愛かったなぁ」
「何が言いたいんだ?」
「なぁ、もう一回やってよ」
今度はベッドの上で。
そう付け加えられた言葉で、カゲミツはようやく半休の本来の意味を理解した。
「ぜ、絶対嫌だからな!」
逃げようとするカゲミツの腕をトキオが引っ張る。
あっと油断した隙に腰を抱かれ逃げ出すことが出来ない。
そのままベッドルームに連れ込まれ、出勤直前までベッドで過ごす羽目になったのだった。
*
ついった診断メーカーより
エプロン姿で「もっとしてほしいな…」と言っているトキカゲを妄想してみよう、でした
トキオさんはカゲミツが抱きたいって言ったら抱かせてくれるんじゃないかと思います
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