▽05/25 01:42

とある休日の午後。
天気は快晴だというのにトキオとカゲミツは部屋の中にいた。
カゲミツはパソコンに向かい、トキオはソファーに座り雑誌のページをめくっていた。

「カゲミツー、今日晩飯何が食いたい?」
「んー、」

キーボードを叩く指を止め顎に手を当てて考えるカゲミツに、手招きをして隣に来るように促す。
難しい表情は変わらないまま、隣に腰を下ろした素直な恋人にトキオはクスリと笑った。

「なんだよ」
「いや、別に?」

そう言って綺麗な金髪を撫でてやればカゲミツはまたうーんと考え始めた。

「お前が作るものは全部うまいからなぁ」
「そりゃ嬉しいね」

小さく呟かれた言葉は嬉しいもので、肩に腕を回して頬に口付けた。
カゲミツはしまったという顔をしているが、聞いてしまったんだから仕方ない。
ニコニコと笑っていると、カゲミツがふいに手を伸ばした。

「これ、いつもつけてるな」

そう言って優しく触れたのはシンプルに存在を主張するペンダント。
壊れものを扱うかのような手つきで形を確認する。

「・・・大切な人から貰ったのか?」

少し言い淀んでカゲミツが視線をさまよわせる。
普段からあまりモノに対する執着を見せないトキオが、肌身離さず持っている。
それだけこのペンダントが重要なモノなんだろうとは感じていた。
だから知りたかったし、聞けなかった。
トキオは平然とした顔でペンダントに触れるカゲミツの指ごと包み込んだ。

「気になる?」
「・・・うん」

自分で聞いてきたくせに、居心地の悪そうなカゲミツがなんだか妙に愛しい。

「凄く大切な人に貰った」
「そうか」

いじけたように視線を逸らしたカゲミツに、名前を呼んで自分の方を向かせる。
ちょっと傷付いたような表情をされて、嬉しいなんてどうかしてるかな。

「いつか大切な人が出来たときに渡しなさいって」
「?」

意味がわからないのかキョトンとした顔のカゲミツにペンダントを外して手渡す。

「だからこれ、カゲミツにあげる」

お前以上に大切な人はいないからと付け加えると、白い肌が真っ赤に染まった。

「バカ」

胸に飛び込んできたカゲミツの背中に腕を回す。
首筋や耳まで真っ赤に染めている。
そのまましばらく黙ってそうしていると、カゲミツがふと顔をあげた。

「なぁ、今日から揚げ食いたい」
「お、いいね」
「それから・・・、ありがと」

その表情が今まで見たこともない程可愛くて、そっと唇を重ねたのだった。

*

トキオからのプレゼントにしてしまうっていう捏造っぷり!
これからこういう捏造の産物が増えていくと思われます←
そしてわたしが書くトキカゲは激甘いな

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