▽04/06 00:22

タマキがJ部隊、リニットがナイツオブラウンドへ。
二人がそれぞれの場所に戻り、事態はまた大きく動き始めた。

しばらく影を潜めていたナイツオブラウンドは活動を再開し、再びJ部隊とやり合うことになった。
そうこうしているうちにダヴが捕まったり、タマキが記憶を取り戻したり。
カゲミツとこっそりと会っていた日々がまるで夢だったのではないかと思うほどいろいろなことが起きた。
カゲミツの父親であるイチジョウ公爵の殺害計画は失敗し、トドメをさそうとしたところをリニットが止めた。
罪滅ぼしのつもりだろうか?
憎んでも憎みきれない奴に助けられるなんて、カゲミツはどんな気持ちだったんだろうか。
そのままリニットはJ部隊に寝返り、ナイツオブラウンドは崩壊した。
ほんの短い間の話なのに、随分と長い間のことだった気がする。
少し前の激動の日々を振り返っていると、幸せそうな笑い声が聞こえてそちらに目をやる。
視線の先にはカナエとタマキがにこやかに笑い合っているのが見えた。
視界の隅で寂しそうなカゲミツの姿も。
あんなに目の前でイチャつかれているというのに、カゲミツは相変わらずタマキが好きらしい。
しかしすべてが終わった後、キヨタカが意外なことを教えてくれた。

「アイツはお前に死んで欲しくなかったみたいだぞ」
「へぇ、意外だね」
「殺すのか?って不安そうな顔してた」

本当は嬉しいけど、顔には出さず素っ気なく答える。
弱みにつけこんで抱いて、父親を殺そうとしたのにカゲミツは自分のことを心配していたというのだ。
黙っているとキヨタカが言葉を続けた。

「アイツなりに色々考えているんだろう」
「・・・・・・・」
「気付いてないかもしれないが、お前といると自然に笑ってるんだ」

今までのことは水に流してやれという言葉に軽く目を伏せた。
流して欲しいのは、きっとあっちの方なのに。
そんなことは言えず口をきゅっと結んだ。

「いつまでも報われない恋なんて辛いと思わないか?」

それはカゲミツのことなのか、自分のことなのか。
口には出さずチラリとキヨタカを見るとポンと肩を叩かれた。

「そういうことだ」

結局大事な部分を煙に巻いたままキヨタカは歩き出した。
本当のところは、何もわかっていないかもしれない。
そんな少し前のやり取りをふと思い出して我に返った。
これでいいんだと納得するように悲しそうに笑って頷いたカゲミツに心がぎゅっと締め付けられる。
まるであの時みたいだ。
あの時はあんな形でしか手を差し延べられなかったけど今は違う。
スッと立ち上がり、カゲミツの隣に立つ。

「ちょっと聞きたいことがあるんだけど、パソコンがワゴン車でさ」

ついて来てよとカゲミツの腕を強く引っ張る。
なんだよと言いながらも渋々立ち上がったカゲミツを引き連れ、目的の場所とは逆方向に歩き出した。

「ワゴン車は!?」
「その前に気分転換でもどうだい?」

グイッと腕を掴む手に力を入れると華奢な体は簡単に方向を変えた。
意外に思って顔を覗き込もうとしたらサッと顔を隠された。

「お前どっか行きたいとこあるんだろ?」

場所なんてわかりきっているくせに、早く行けよと上擦った声が急かす。
二人黙ったままビルの屋上に出て、ようやく腕を離した。
カゲミツは腕で顔を隠してはいるが、揺れる肩、時々漏れる嗚咽で泣いているのは明らかだった。
だから何も言わずカゲミツと座り、壁にもたれ掛かった。
そして顔を隠していない方の手に自分の手をそっと重ねる。
一瞬びくりと反応を示したけれど何も言わない。
しばらくそうしていると、落ち着いたのかゆっくりと顔を上げた。

「・・・なんでお前はいつもそうなんだよ」
「どういうこと?」
「何でお前は・・・、やっぱいい」

言いかけて口をつぐんだカゲミツがよっと声を上げて立ち上がった。

「・・・俺はビハインドからのスタートだからね」
「何か言ったか?」
「いや、それより早く教えて欲しいんだけど」

ドアに手を掛けたまま振り返ったカゲミツに首を振って答える。
長かった夜に、ようやく光が見え始めた。
報われない恋が辛いのなら、忘れさせてあげよう。
それが自分の報われない恋に光が見える方法なのだから。

*

おわり!
最終的に言いたかったことを要約すると
1.オミさんにビハインドから〜と言わせたかった
2.無印カナタマエンドから傷付いたであろうカゲミツを支えたのが実はオミさんだったら萌えるな
3.だから追憶でやたらオミさんのことを気にしてただったら萌えるのにな
4.っていうか精神ボロボロに傷付いてるのに仲間には見せず、オミさんの前でうっかり見せちゃったらカゲミツ萌えるんじゃないか

とかとかとか、まぁ一言でいうと自己満乙!\(^O^)/

自分の萌えと捏造を力いっぱい詰め込んだらこんなにぐだぐだと長くなっちゃいましたという訳です


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