13.ほんとは3
「なんだい、レイリ?」
「どうしたの?」
「私のお古でよければ、お譲りいたしますよ?」
私がそう言えば、夫人が「まぁ!」と目を開いた。ロンとハリーは勝手口の内側にある止まり木まで、年老いた梟のエロールを運びに行っており、双子は何か別の話で二人で盛り上がっている。
「きっとジニーちゃんの使うだろう教科書は、もうずっと何代も使い込まれてきたものばかりではないですか?」
ぐうの音も出ん…と言うばかりに、ウィーズリー氏は額を押さえた。必要ないものを手元に置き、今後も使う見込みがないのなら、必要とする人の元へ譲ってしまうのがベストだと思う。今まさに私とジニーはその関係にあるのだ。
「今回、こんなにも長い期間、ここへ泊まらせて頂いて何かお返しができたらなぁって思っていたんです…」
と言うのは建前で、要らないものを処分したいと言うのが本音。まぁ、そんなことはおくびにも出したりはしないけどね。夫人は困ったように笑って「気にしなくていいのよ、そんなこと!」と言い夫を見る。彼は額に置いていた手を顎まで滑らせて何やら考えをまとめていた。
「レイリちゃんはいつもご飯の支度を手伝ってもらったり、うちの息子達が気付かないことまでやってくれて大助かりなのよ?」
「でもまぁ…やはり、背に腹は代えられん」
「アーサー…!」
「モリー。今回は彼女のご好意にあまえたらどうだ?」
「…決まりですね!」
にやりと私は笑った。それから、この話をずっと聞いていたジニーが赤みの引かぬ顔のまま「ありがとう」と小さい声で私に言ってきた。「いえいえ、どういたしまいて。ちょっと書き込みしてあるけど、遠慮せずに使ってね?」と頭を撫でた。
そして、エロールが運んできたハーマイオニーからの手紙に『水曜日に新しい教科書を買いに行きます』と書いてあったことから、私達もその日にダイアゴン横丁へ行くことになるのだが…それはまた別のお話。
20130811
title by MH+
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「なんだい、レイリ?」
「どうしたの?」
「私のお古でよければ、お譲りいたしますよ?」
私がそう言えば、夫人が「まぁ!」と目を開いた。ロンとハリーは勝手口の内側にある止まり木まで、年老いた梟のエロールを運びに行っており、双子は何か別の話で二人で盛り上がっている。
「きっとジニーちゃんの使うだろう教科書は、もうずっと何代も使い込まれてきたものばかりではないですか?」
ぐうの音も出ん…と言うばかりに、ウィーズリー氏は額を押さえた。必要ないものを手元に置き、今後も使う見込みがないのなら、必要とする人の元へ譲ってしまうのがベストだと思う。今まさに私とジニーはその関係にあるのだ。
「今回、こんなにも長い期間、ここへ泊まらせて頂いて何かお返しができたらなぁって思っていたんです…」
と言うのは建前で、要らないものを処分したいと言うのが本音。まぁ、そんなことはおくびにも出したりはしないけどね。夫人は困ったように笑って「気にしなくていいのよ、そんなこと!」と言い夫を見る。彼は額に置いていた手を顎まで滑らせて何やら考えをまとめていた。
「レイリちゃんはいつもご飯の支度を手伝ってもらったり、うちの息子達が気付かないことまでやってくれて大助かりなのよ?」
「でもまぁ…やはり、背に腹は代えられん」
「アーサー…!」
「モリー。今回は彼女のご好意にあまえたらどうだ?」
「…決まりですね!」
にやりと私は笑った。それから、この話をずっと聞いていたジニーが赤みの引かぬ顔のまま「ありがとう」と小さい声で私に言ってきた。「いえいえ、どういたしまいて。ちょっと書き込みしてあるけど、遠慮せずに使ってね?」と頭を撫でた。
そして、エロールが運んできたハーマイオニーからの手紙に『水曜日に新しい教科書を買いに行きます』と書いてあったことから、私達もその日にダイアゴン横丁へ行くことになるのだが…それはまた別のお話。
20130811
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