万物流転 | ナノ
14.かえろう
私の名前はハーマイオニー・グレンジャー。ホグワーツ魔法魔術学校に通うただの魔女よ。私、普通の生徒では体験出来ないような…危険で摩訶不思議で、とーっても嫌な体験をしたの。それのお陰で、友達のロンは怪我しちゃうし、ハリーだって今日まで眠りっぱなし!

そして、そのとーっても嫌な体験って言うのは…同じグリフィンドール寮の友達ネビル・ロングボトムに『全身金縛り』の呪いをかけたこと。彼には本当に申し訳ないって思ってる。けど、彼がもしあの時の私の立場だったら、同じことをすると思うの…。

話を危険で摩訶不思議な体験のことについてへ戻すわね。私達はとある石を巡って、スリザリンの寮監であるセブルス・スネイプ先生を監視していたの。彼は、見れば見るほど疑い深い人物で、彼がこの今回の件の黒幕だと私達三人は信じて疑わなかった!

でも、ハリーが目覚めて話を聞くと、悪いのはぜーんぶ、あの気の弱いクィリナス・クィレル先生だったって言うじゃない!それに彼のあの紫色のターバンの下にはおぞましい顔があったなんて…!私とロンはその話を聞いて、目が飛び出そうになるくらいに驚いたわ。





「それで、君達二人の方はどうしたんだい?」

「えぇ、私はちゃんと戻れたわ。通路を抜けると、倒れてるロンの側に人が座ってたの…」
「それは誰? もしかしてダンブルドア先生?」

「違うわ…その、」

私の口では言い辛くて、隣りにいるロンへと目を向けると、それを察した彼が私の代わりにハリーに言ってくれた。

「レイリ先輩だよ。ハリーも知ってるだろ」
「…えっ!? レイリ先輩だって?先輩がどうしてそこにいたの!?」

「ハリー落ち着いて!マダム・ポンフリーに追い出されちゃう!」
「…ご、ごめん。でも、どうして先輩が助けにきてくれたんだろう?」

「わからないよ…。それに、僕が目が覚めた時にはもう隣りにいたんだ」
「あとから先輩に聞いた話によればね」

声のトーンを少し落としてから「たまたま夜明け前に目が覚めて談話室に降りてみると、全身を石のように固まらせたネビルが横たわってて…」と私がそう言えば、ハリーがちょっとだけ苦い表情になった。

あの時は緊急事態で仕方のないことだと分かってはいても、それは言い訳で…もう二度と友達に向かって石になれ!≠ネんて呪いをかけたくない。それに、このことについて私とロンが退院してからレイリ先輩にはこっぴどく叱られたの。

ネビルには本当に申し訳ないことをしたって今は反省してる。そう思って、同じく苦笑いが出たわ。

「それで、ネビルの呪文を解いて医務室に運んでから僕たちのところまで来たって先輩言ってたよね…」
「えぇ…。ロン」

20130810
20131208加筆
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