さーん
「そんなことより!結局どういうことなのか説明してくんない?」
メソメソと泣いてるムッツリ悪魔を尻目に、何故か頭に犬・・・?みたいな耳を付けてるつなぎ姿の男に声を掛けてみた。
あ、よく見たら尻尾も生えてる!こわい!
「ま、魔王様が俺に話し掛けてくださったー!!!やっべー!やっべーよマジでやっべー!!」
「え、何この人、怖い・・・」
けもみみ青年は千切れんばかりに尻尾を振りながら、くるくると回っていた。
・・・お前がやっべーよ!!
少し引きながらも、もう一度青年に声をかけると、またもや興奮したような様子で俺の質問に答え始めた。
「あのですね!魔王様って実はこっちの世界で生まれてるんですよ〜!ざっと120年前くらいに!でも魔王様が生まれた直後に勇者のクソ野郎共が城に攻め込んできて、魔王様に危険がないように魔族としての力を封じ込めて、魔王様を人間界へ落としたんっすよ!」
「は、はぁ・・・・」
「あの時の勇者共は何とか先代の魔王が追い払ったんですけどぉ、また勇者共が城を襲いに来るらしいんですよ〜!マジやばくないっすか!?」
「やばいっすね・・・・」
「そこで魔王様の力が必要になったんでぇ〜、人間界から呼び戻したってわけです!!今魔王様が魔王としての力がなくて只の人間っていうのは、魔王様の魔族としての力を解き放ってないからなんすよー!!!」
・・・なんて言うか、うん。
この人すっげぇ喋るのな・・・・。あんま聞き取れなかったんだけどさあ、とりあえず話を纏めると・・・、
俺、人間じゃなかったの・・・?
「その通りだ」
「わっ!ムッツリ悪魔!」
「頼むからその名で呼ばないでくれ!頼むから!!」
突然俺の心を読んだムッツリ・・・いや、悪魔は、必死な形相で頭を下げた。
そんなに嫌なんだ・・・。
ていうか、聞きたいことありまくりなんですが、どうしたらいいの?
◎