初めての告白





「すごい・・・、まさか足と手だけでイっちゃうなんてネ・・・」

「はっ、ん・・・ふぁ」



はぁはぁと荒い息を整えようとしていると、保険医がゴクリと喉を震わせて熱の篭もった声でそう言った。何とか反論したい気持ちはあったんだけど、イッた後の脱力感でふらりと後ろに倒れそうになってしまう。

あ、やばい。


「っ!」


咄嗟に目を瞑って背中に走る衝撃を待っていたのだけど、いくら待っても衝撃はやってこない。それどころか何か暖かいものに包まれているようで・・・。

チラリと目を開けて後ろを見てみると、何とそこには不良くんが。


「・・・大丈夫か」

「え、あ、ありがとう・・・!」


不機嫌そうな顔でそう言われて、俺は慌ててお礼を言った。
・・・ていうか良く考えたら俺、凄い恥ずかしいところ見られちゃったよね!?

ハッ、と気付いた途端に顔に熱が集まっていき、俺は自らの手のひらで真っ赤に染まったであろう顔を覆い隠した。


「うう〜っ」

「アハハ、顔真っ赤だネ!まぁとりあえず薬の効果はなくなったでショ?」



そう言って保険医に足を掴まれると、俺はまたも情けない声をあげてしまった。


「ひゃうっ!」

「あれ、まだ?う〜ん、一回出してまだこんなに効いてるなんて、相当強い薬盛られちゃったんだネ」


可哀想に、そう言ってまた足を弄りだそうとする保険医に、俺は慌ててストップをかけた。


「だから薬じゃないんですって!」

「え〜、でも薬意外考えらえないジャン」

「それは俺が・・・ッ」



咄嗟に出てきそうになった言葉を慌てて手の平で隠して、俺はチラリと保険医に視線を向けた。

ど、どうか今の所に突っ込まないでください・・・!


心の中で必死に願った甲斐も虚しく、保険医はニッコリと笑って聞いてきた。



「俺が、なぁに?」

「あう・・・」


ニコニコと笑ったママ聞いてくる保険医から逃げようと椅子から降りようとするも、不良くんに肩を押されて立つこともできやしない。
離してください!と、目で訴えてみたけど不良くんは眉間にシワを寄せたまま聞く耳持たず。ていうかマジで怖いからそんな目で見ないでよう!

うう、と唸りながら無言を貫いていると、保険医が俺の首筋をするりと撫でた。



「んあっ、や・・・!」

「早く言わないともっと凄いことするヨ?足や手だけでこんなんなのに、あんなとこやこんなとこを触ったらどうなるのかナ〜」

「っ!!い、言う!言うから止めて!!」



顔を真っ青にさせながらそう言うと、保険医は少し不満そうにしながらも首筋から指を離した。未だ肩を押していた不良くんもゆっくりと手を外して・・・。

俺は大きく深呼吸をしてから小さな声でポツリと呟いた。





「俺、全身性感帯なんだ・・・」




静かな保健室に俺の震える声だけが小さく響いた。





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