どうしつしゃでなれろ!
俺の同室者は、果てしなく美形だ。
美形の多いこの学園で一際目立つ部類に立つ、もんのすごいイケメンさん。しかも不良。
・・・初っ端からレベル高くない!?今の気分は、まさにレベル1の状態で魔王を倒しに行く勇者・・・、ていうか村人A。
とにかく今の俺にはまだ早すぎる。無理だ、諦めよう。
俺、時には諦めって大事だと思うんだ・・・・。
(部屋で大人しく寝てよう)
リビングでうろついてた俺は、そうと決めればすぐに自分の部屋へと足を向けていた。
・・・・のに!!
俺の真後ろ・・・、つまり同室者の部屋から、がちゃりと小気味のいい音がした。
その音は今まさに俺が立てようとした音で・・・。
「あ?お前・・・・」
「ひっ・・・ナンデショウ・・」
まさかの呼び止め。
少し掠れたハスキーボイスにびくりと肩を跳ねさせ、自室のドアノブを見つめながら返事を返す。
な、何で声まで格好いいの!?意味わかんない!
理不尽な怒りを感じながら、同室者が口を開くのを待つ。
ていうか変な間作るくらいなら呼び止めんなよ!鳥肌半端ないから!
「お前・・・・誰だ?」
「・・・は?」
「何で勝手に部屋入ってんだよ。つぅかどうやって入った?」
え、ちょ、ちょ!
なになに?何この状況!誰って言われても同室者としか言いようがないし、もしかして俺の存在知ったの今!?そんなのって有り!?
入学してから二ヶ月は経ってるんですけどぉ!?
◎